冷凍食品を手がける食品各社などが15日、新商品説明会などを相次ぎ実施した。マルハニチロホールディングス(HD)傘下のアクリフーズの一部商品から農薬が検出された問題の影響が懸念される中、共働き世帯の増加などを背景に、調理負担が軽減できる冷食の需要は高まっており、各社は味の向上や健康志向への訴求を通じ、買い控えを最小限にとどめる狙い。
ニチレイフーズは、揚げたての食感に近い牛肉コロッケなど72品目を発表。夕食向けやシニア層の需要にも訴求する品質の高さが売りだ。日本製粉は、緑黄色野菜を素材に取り入れた和総菜など、健康志向の商品群を打ち出す。日本生活協同組合連合会も、商品力強化を重点課題に据えた。
会見を中止したマルハニチロ食品も、夕食需要に対応したシリーズなど新商品12品目を発表した。
日本冷凍食品協会による2012年の冷凍食品国内生産は、工場出荷額ベースで前年比1.5%増の6392億円と2年連続のプラス。「最近の冷蔵庫は野菜室より冷凍室が大きいタイプが主流」(家電量販店大手のエディオン)といったように、他業界への波及効果も高く、ニチレイフーズの篠原利和家庭用事業部長は、「成長が続く数少ない市場」と胸を張る。