石炭火力、日の丸技術で復権 超効率「IGCC」稼働時間の記録更新中 (1/3ページ)

2013.12.11 06:41

 ■超効率「IGCC」稼働時間の記録更新中

 次世代の高効率石炭火力発電として注目されている石炭ガス化複合発電(IGCC)で、常磐共同火力の勿来(なこそ)発電所10号機(福島県いわき市、出力25万キロワット)が11月12日、IGCC設備における最長連続運転記録を更新した。現在も記録更新中だ。IGCCは、高い発電効率により地球温暖化ガスの排出も削減する技術。採掘技術の革新で21世紀のエネルギーとして名乗りを上げたシェールガスのように、日本の技術による石炭の復権は実現するのか。

 勿来発電所10号機は、国内初のIGCC商用機として6月28日に運転を開始。11月12日には連続運転が3287時間に達し、ブフナム発電所(オランダ)の持つ世界記録を塗り替えた。設備を担当した三菱重工業の坂本康一IGCC・ガス化プロジェクト室長は「この成果に世界の関係者が驚いた」と胸を張る。

 ◆炭鉱の町から最先端

 世界記録を生んだのは、勿来発電所の立地にも理由がありそうだ。常磐共同火力は1955年、東北電力、東京電力や地元炭鉱会社などの共同出資により、産炭地の勿来市(現いわき市)に設立された。当時、安価な石油によるエネルギー革命の波が押し寄せ、石炭業の合理化が叫ばれていた。だが、「ここで働く従業員は9割以上が地元出身者」(同社の齋藤昭雄取締役)という炭鉱の町だからこそ、最先端の技術開発が育まれた。

 勿来発電所のIGCCは、84年に電力中央研究所が石炭をガス化して利用するための基礎研究を始めた際の実験装置がルーツだ。この研究は、2007年には商用化時の営業運転も視野に入れて1日当たり1700トンの石炭を処理する実証機へと大規模化。今年4月に常磐共同火力がプラントを引き継いだ。

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