マツダの乗用車試乗会で自動ブレーキ機能が作動せず発生した衝突事故が波紋を呼んでいる。事故原因については操作ミスか、構造上の欠陥かは現時点で不明だが、新たな安全技術として期待される「自動ブレーキ」の普及に水を差したのは間違いない。今回の衝突事故は“未来のクルマ”といわれる自動運転技術の実用化にも影響を及ぼす可能性もある。
止まるはずが止まらない…
想像してもらいたい。障害物に向かって走行する乗用車。ブレーキを踏まなくても自動的に停止する瞬間は、止まると分かっていても本当に怖いものだろう。
しかし、それが予想に反して止まらず、そのまま障害物に激突。それは想像を絶する恐怖のはずだ。そんな事故が11月10日、埼玉県で開かれた自動ブレーキ機能を体験する試乗会で発生し、運転手と助手席に乗車していた男性2人が重軽傷を負った。
車は、マツダのスポーツ多目的車(SUV)「CX-5」。自動ブレーキ機能を体験するため、7メートル先の障害物に見立てたウレタン製マットに向かって走行したが、停止せず、さらに前方の金網フェンスに衝突した。