パナソニック“脱家電”路線の衝撃度 松下翁の「水道哲学」は消えるのか (1/4ページ)

2013.8.10 19:04

「水道哲学」で知られる松下幸之助氏(右)と、“脱家電”を強化する津賀一宏社長(共同通信社)

「水道哲学」で知られる松下幸之助氏(右)と、“脱家電”を強化する津賀一宏社長(共同通信社)【拡大】

 「パナソニックは家電をあきらめたのか…」。2期連続で7000億円を超す巨額赤字に沈んだ名門家電メーカーのパナソニックが今春、3カ年の中期経営計画(平成25~27年度)を公表して以降、市場ではこんな噂が広がっている。

 赤字脱却のキーワードとして打ち出したのは、「転地」。市場(立地)に合わせて事業を転換するという意味のビジネス用語で、「転地=脱家電」と受け止められ、衝撃が走っている。良い家電製品を安く大量に供給するという創業者の松下幸之助が唱えた「水道哲学」は、もう通用しなくなったのか…。

 赤字事業部を「ゼロ」に

 中期計画では、本業のもうけを示す営業利益を27年度に3500億円(24年度は1609億円)に引き上げると宣言したものの、売上高の目標は明らかにしなかった。

 わずか3年前の前中期計画(22~24年度)では、「売上高10兆円を目指す」と華々しくぶち上げていたが、結局、7兆3300億円にとどまった。

最大の柱は、赤字事業部をゼロにすることだ

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