一方、人手不足の一因ともなっている早期離職対策として取り組んでいるのが、職場環境の整備だ。
ファミリーレストラン大手のすかいらーくは昨年秋から、採用したアルバイトに最初の3日間、オリエンテーションと業務に関する座学研修を1日当たり計50分~1時間実施している。チームのコミュニケーションを円滑にするだけでなく、働き始めにありがちなミスの防止効果も狙っている。
同社の社内調査によると、3カ月以内の短期間で辞めるアルバイトのうち、大半が実働20時間以内での離職だったが、取り組み実施後は20時間以内の離職が大幅に減った。「アルバイトのサービス意識が向上した」(都内の店長)、「早くから職場の仲間に入れるという安心感がある」(36歳の男性アルバイト)など、現場からも好評を得ている。
景気にようやく明るさが戻りつつある中、事業拡大に向けた出店を加速する外食産業。人手不足は出店戦略のアキレス腱になる可能性もある。その解決策は今後の成長の鍵を握りそうだ。(佐久間修志)