2011年1月に米国子会社を設立し、米国市場向けにソーシャルゲームの配信を開始したグリーは今年は参加を見送った。「モバゲー」を運営する大手のディー・エヌ・エー(DeNA)も参加しない。
米国は日本と比べ、「ネットゲームを有料で遊ぶ習慣が根付いていない」(業界関係者)事情があるという。ソーシャルゲームの米最大手、ジンガでは約2億3千万人の利用者がいるが、10年は全体のわずか約3%しかアイテムを購入しなかった。
DeNAでも、日本のモバゲー課金額が約583億円(今年1~3月)に対し、米国を含めた海外課金額は約8分の1の約69億円にとどまる。「日本の成長産業」の一つであるソーシャルゲームは、国内市場頼みが鮮明だ。
【用語解説】ソーシャルゲーム インターネット上の会員制交流サイト(SNS)で提供されるゲーム。携帯電話やスマートフォン(高機能携帯電話)を使い、利用者同士が協力して遊べるなど交流できる点が人気。無料でも利用できるが、ゲームを有利に進めるためのアイテムは有料。グリーなどの運営会社は、広告収入よりも、アイテム販売などの収入が全体の大半を占める。