超ハイテン材の採用車種については、高級車に限らず「(新興国向けの低価格車)ダットサンブランドも含めて世界の全モデルに展開する」(鈴木部長)方針だ。
日産だけでなく、自動車各社は車両の軽量化に積極的に取り組んでいる。
トヨタ自動車が昨年12月に発売した高級セダン「クラウン」は、エンジン排気量をダウンサイジングしたほか、ハイテン材の採用部位を拡大。これにより、最大200キロの軽量化を達成した。
ホンダは、鉄とアルミを結合したドアを生産する新技術を確立し、ドアの重量を約11キロ軽量化。スズキは、軽「アルトエコ」の部品を徹底的に見直すことで20キロ軽くし、ガソリン1リットル当たり33.0キロの走行を実現。燃費性能は、トヨタのハイブリッド車(HV)「プリウス」の32.6キロを上回った。
コンマ1キロをめぐる低燃費競争が今後も続くのは間違いない。その中で、燃費向上に欠かせない軽量化技術の役割もますます大きくなりそうだ。(古川有希)