国土交通省は19日、造船重機大手などと共同で、海底資源の採掘にあたる作業員の輸送を中継する人工浮島「メガフロート」を開発すると発表した。ブラジル国営石油会社に提案中で、2014年までに受注、16年にも設置したい考え。
想定するメガフロートは、サッカーグラウンド3面分に相当する横315メートル、縦80メートルの大きさ。沖合約200キロの場所に設置、陸からは高速船、洋上施設まではヘリコプターで作業員などを運ぶほか、宿泊施設や発電施設も備える。
プロジェクトには三菱重工業やIHIなど民間企業5社や、独立行政法人海上技術安全研究所、日本海事協会が参画。18日には技術開発を推進する技術研究組合を設立した。
メガフロートは、金属製の箱をいくつも接合。比較的安価に製造でき、津波で壊れにくい特徴を持つ。日本では石油備蓄などに使われているほか、福島第1原発事故の汚染水の一時的な保管場所としても活用された。日本政府はベトナムにも石油備蓄用に採用を働きかけている。