日立製作所や三菱電機などの労働組合が14日、2013年春闘の要求書を経営側に提出し、シャープを除く電機大手の労組要求が出そろった。
インフラ事業を中心に業績が堅調な日立の労組が昨年獲得実績を0.52カ月上回る5.8カ月の年間一時金を要求。一方、経営不振のシャープの労組は電機連合の統一要求からの離脱を決める見通し。電機業界は厳しい国際競争にさらされ円安効果も少ないだけに、回答が出そろう3月13日に向け激しい労使交渉が続きそうだ。
円高是正・株高が進んでいるが、経営側は賃金の引き上げに慎重な姿勢を崩していない。労組側は軒並み賃金改善の要求を見送り、定期昇給にあたる賃金体系の維持に力を入れる。
同日、要求書を提出した三菱電機の労組は、昨年実績よりも0.1カ月少ない5.57カ月の一時金を要求した。防衛・宇宙関連の契約をめぐる水増し請求問題で国に多額の返納金を計上するなど、13年3月期の業績が前期に比べ下振れていることから要求額を引き下げた。
一方、富士通の労組は同日、65歳までの雇用延長義務付けを受け、短時間勤務や労働日数の短縮といった柔軟な働き方を改めて経営側に求めた。すでに同社は希望者を原則65歳まで再雇用する制度を導入している。
パナソニックや東芝、NECの労組は13日に要求書を提出し賃金体系の維持を求めた。一時金は業績連動を採用している。