富士通とパナソニックが、デジタル家電などに使う半導体「システムLSI」事業を統合し、2013年度に新会社を設立する方向で調整していることが1日、分かった。
両社の設計・開発機能を統合し、不採算の同事業を立て直すのが狙い。新会社は日本政策投資銀行からも出資を受ける方針。同事業の統合交渉には経営再建中のルネサスエレクトロニクスも加わっていたが、条件面で折り合わず、設立時に3社統合となるかは流動的だ。
新会社の名称や本社所在地などは今後詰めるが、システムLSIの設計・開発に特化する。また、政投銀は来月にも設立する「競争力強化支援ファンド」を通じて、新会社に数百億円規模を出資する計画だ。
ルネサスを含めた3社統合が難航しているのは、統合事業が折り合わなかったためとされる。ルネサスは再建過程で、不振のモバイル端末向けLSI事業を統合対象とすることを望む一方、収益が高く「今後も資源を集中させる」(同社関係者)としている自動車や産業機器向けなどについては自社で事業を継続させる意向が強い。