【業界展望2013】
クレジットカード会社による富裕層の“争奪戦”が激化している。カード市場が成熟するなか、利用する金額、頻度とも高い優良顧客の獲得が欠かせないからで、カード各社は航空や鉄道会社、百貨店などと提携を強め、ポイントサービスで顧客の囲い込みを狙う。利用者もポイントを効率的にためるため、日常の決済を特定のカードに集約しつつあり「富裕層の奪い合いでメーンカードと使われないカードが鮮明になり、カードのリストラが一段と進む」(業界関係者)とみられる。
“予備軍”開拓
日本クレジット協会によると、昨年3月末時点のクレジットカード発行枚数は前年比2.2%減の3億2164万枚。カードを1人当たり3枚持つ計算で、「発行枚数が今後、劇的に増えることはない」(同協会)。
一方、公共料金や病院などカードを使える場所が拡大、利用金額は増加している。中でも、ゴールドカードやプラチナカードの使用が増えており、使い勝手が良ければ富裕層のメーンカードになりやすい。