これを武器にユーグレナは、日立プラントテクノロジー、JX日鉱日石エネルギーと共同で研究開発を推進。日立はプラント建設や燃料抽出技術の提供、JXは燃料の精製を担っており、2018年までの実用化を目指している。技術的な課題はすでにクリア。今後、検証に力を入れていくのが安定供給のあり方だ。
本格的な実用化段階に移行すれば、ミドリムシ由来のバイオ燃料で、ジェット燃料全体の10%分をカバーすることを目標に掲げる。LCC(格安航空会社)の台頭によって、ジェット燃料の使用量は確実に伸びる。このため、より高度な温暖化対策が求められるだけに、ミドリムシ由来のバイオ燃料が環境面で果たす役割は大きいとみられる。
一方、CO2の固定化は、火力発電所の排ガスを用いてミドリムシを培養していくというもの。発電所の煙には350倍の濃度のCO2が含まれ、一般的な植物の光合成が難しいが、ミドリムシは対応できるという特性を生かす。