ただ、石炭は豪州やインドネシアなど産地に応じて、含まれる硫黄分や窒素分が大きく変わってくる。必然的に排ガスの種類も異なり、生育状況にも影響を及ぼす。このため「どんな排ガスでも対応できるように実験を続けていく」(出雲社長)ことが本格的実用化に向けての課題だ。
環境分野のもうひとつの切り札が、清水建設、東京都下水道局と共同開発を進めている水質浄化だ。
国内では約100種類のミドリムシが存在する。その中から食品や燃料といった用途ごとに最も適したミドリムシを抽出し実用化に向けた検証を進めていく。ただ、水質浄化については、どんな汚水にも対応できるといった“万能”なミドリムシは存在しない。それだけに「Aは養豚場から排出される汚水に効く」といったように、ミドリムシの種類に応じて役割が異なってくる。このため、それぞれの領域で、どのミドリムシが最もパフォーマンスを発揮するのかといった部分に重点を置いた研究体制を強化していく。