ただ、両社の人口カバー率算定方法の詳細は不明確なうえ、KDDIは2ギガヘルツ単体のカバー率は公表しておらず、単純比較はできない。
総務省によると、同省が定義する「人口カバー率」は各地の市町村役場や役場支所、出張所の庁舎に電波が届いているかどうかで判断する。市内全庁舎に電波が届けば市全域を「圏内」とし、市の総人口をカバーしたことになる。逆に1つの出張所にでも届かなければ市全域が「圏外」。総人口に占める圏内人口の比率が人口カバー率だ。
これに対し、ソフトバンクとKDDIが採用する「実人口」カバー率では、日本地図を500メートル四方の小さな網目状の区画に区切って考える。区画の一部に電波が届けば区画全体を圏内と扱い、総人口に占める圏内人口の比率を算出する。
KDDIの田中孝司社長は「役所庁舎にさえ電波が来れば全人口をカバーするというのは正確ではない」と指摘。「(区画が細かい)実人口式の方が正確」と主張する。
ただ、両社とも区画のうち何割程度の面積に電波が届けば「圏内」と定義するのか明確な数値は非公表のため、実際にどちらの電波がより多くの地域、利用者に届くかは不明だ。