大容量データでも素早くやりとりできる高速データ通信規格「LTE」対応のスマートフォン(高機能携帯電話)が相次ぎ投入される中、通信各社が前面に押し出す「人口カバー率」に対して疑問の声が出ている。
カバー率は総人口に対するLTE利用可能人口の比率だが、その算出方法が事業者によってまちまちなためだ。各社がアピールする高いカバー率も「うのみにできない」(業界関係者)との声もあがり、利用者を混乱させる恐れがある。
単純比較できない
「(LTE対応エリアは)ソフトバンクが1090市区町村に対し、KDDI(au)は541市町村だ」。ソフトバンクの孫正義社長は1日の記者会見でこう述べ、同社の人口カバー率の優位性を訴えた。
両社は9月21日、LTE対応の米アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)5」を同時発売しただけに、ライバル意識も強い。LTEの今年度末までの普及については、ソフトバンクは2ギガヘルツ周波数でカバー率91%、KDDIは2ギガヘルツと800メガヘルツの両周波数で計96%をそれぞれ目指す方針だ。