自動車各社が国内生産と、コスト競争力を維持するため、生産力を九州に集中させ、国内生産の“最後のとりで”を築いている。
日産自動車が小型戦略車の生産を九州にシフトさせたほか、ダイハツ工業も軽自動車用エンジンの新ライン設置を決めた。自動車生産拠点として発展する中国・韓国との距離が近いことも、九州に生産拠点が集まる理由という。
しかし、歴史的な円高が是正されない中で、さらなるコスト競争力を求めて、九州で生産していた車種を、海外へ移す動きも出始めた。“最後のとりで”をめぐるせめぎ合いは、自動車業界の足元を大きく揺さぶっている。
コスト競争力維持へ
8月28日、周防灘に面する福岡県苅田町の日産自動車九州。同社は、通常横浜本社で開く新車発表会をこの工場で開いた。披露されたのは、9月発売の小型車「ノート」。販売店や部品メーカー首脳らを前に、年12万台販売の目標を掲げ、日産最量販車種への育成を誓う。