2012.8.31 05:00
液晶テレビと有機ELテレビの出荷台数【拡大】
長年ライバル関係にあったソニーとパナソニックが、次世代のテレビ技術とされる有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネルの共同開発に乗り出した。テレビ事業の不振にあえぐ両社が、先行する韓国勢に対抗するため手を組んだ「歴史的提携」。激烈な競争を繰り返してきた両社が過去の因縁を断ち切り、提携に踏み切った舞台裏に何があったのか。
量産技術の確立へ
「次世代有機ELパネルを共同で開発する契約を締結しました」
6月25日。ソニーとパナソニックの提携という歴史的な瞬間にもかかわらず、発表は記者会見ではなく、1枚のプレスリリースが配られただけ。両社の広報担当者も「会見の予定はなかった」と口をそろえる。
長年対立してきた両社による「平成の薩長連合」(電機関係者)は、意外なほど静かにスタートした。
共同開発では現在、両社の技術開発陣がそれぞれの技術情報を持ち寄り、内容を検討している段階。2013年までに量産技術の確立を目指している。