サークルKサンクスが「ゆうパック」と決別 ヤマト運輸と提携「宅急便」切り替え (1/2ページ)

2012.5.24 05:00

ゆうパックの物流センターに入る配送車

ゆうパックの物流センターに入る配送車【拡大】

 宅配便最大手のヤマト運輸と、コンビニエンスストア大手サークルKサンクスが宅配便サービスで提携することが23日、分かった。サークルKサンクスは現在、日本郵政グループの郵便事業会社(日本郵便)が展開する宅配便サービス「ゆうパック」を取り扱っているが、今夏にもヤマト運輸の「宅急便」に切り替える。

 日本郵便は料金の安さを売りに、ゆうパックの取り扱い個数を伸ばしたが、遅配問題など顧客離れが起き、最近はサービスを強みとするヤマトが勢いを取り戻している。今回のヤマトとサークルKサンクスの提携で、ゆうパックを取り扱う大手コンビニはローソンとミニストップの2社に減る。

 ヤマトはサークルKサンクスと業務委託契約を締結し、サークルKサンクスは全国の「サークルK」と「サンクス」で手がける、ゆうパックの取り扱いを宅急便に切り替える。

 ゆうパックは郵政民営化後に、料金を低く抑えるなどしてコンビニに営業攻勢をかけ、2005年にはコンビニ取扱店数で宅急便を逆転した。だが10年7月に日本通運の「ペリカン便」と事業統合した際に大規模遅配が発生し、直後にゆうパックを扱っていたデイリーヤマザキが宅急便に乗り換えた。大規模遅配や、法人向け料金の値上げでゆうパックが取り扱い個数を減らす一方、宅急便は集荷回数の多さやコンビニ店舗での荷物受け取りなどのサービスを強みに利用を伸ばしている。

 サークルKサンクスも今回、サービス面を重視してヤマトとの提携に踏み切ったとみられる。現在、ゆうパックを取り扱うコンビニの店舗数は約2万店。これに対し宅急便は約2万6000店と、優位に立つ。

(次ページ)店舗数の差は2倍以上に広がることに

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