ソニーは10日、昨年度(2012年3月期)の連結業績予想を下方修正し、2月時点で2200億円の赤字を予想していた最終損益が、過去最悪の5200億円にまで膨らむと発表した。米国でテレビ事業などの不振が続き、「繰延税金資産」に対して巨額の損失計上を迫られたため。
繰延税金資産は、将来の利益計上を前提に、払いすぎた税金の戻りを見込んで計上する資産。ただし赤字が続くと税金が戻らず、損失となる。
ソニーは前の期(11年3月期)の連結決算でも繰延税金資産を約3600億円取り崩しており、700億円の最終黒字予想が一転して2600億円の赤字に転落した。
ソニーは今回の業績予想修正で、売上高、営業損益などは従来予想を据え置いた。また今年度(13年3月期)の営業損益は、昨年度の赤字950億円から一転して1800億円の黒字に転換するとの予想を公表した。
電機各社の昨年度連結決算では、パナソニックが7800億円、シャープも3500億円超の最終赤字をそれぞれ予想しており、国内家電大手は総崩れの状態となっている。