エムグラントが先陣
こうした大手チェーンの動きに先行したのは、新興外食チェーンのエムグラントフードサービス(東京都渋谷区)だ。同社が全国に229店を展開する「ステーキ ハンバーグ&サラダバーけん」は06年5月に1号店を出店。価格はステーキやハンバーグにサラダバーがついて1000~1500円前後とした。
地域密着型で「子供が行きたくなる店」をテーマにしており、昨年10月には店内でわたあめが作れる機械を導入するなど、独自の「お子さま」対策を進める。他社が撤退した店舗を居抜きで借り上げ、出店コストを最小限に抑えていることも特徴で、ファミリー層に広く支持され、13年末までに全国400店を目指す勢いだ。
民間調査会社の富士経済によると、ファミレス業界の市場規模は、06年の1兆5841億円から12年は1兆3628億円に縮小する一方、ステーキやハンバーグに特化したファミレスは06年の1445億円から12年は1774億円に拡大する見通しだ。
少子高齢化で単身世帯も増えるなか、いかに「お子さまファン」を増やし、大人になっても通い続けてもらえる魅力づくりが今後の成長のカギを握りそうだ。(金谷かおり)