日本の「当たり前」は通用しない 大学生が世界で見た「勝てないワケ」(下) (1/4ページ)

2012.3.25 18:00

学生にインタビュー=2012年2月8日、メキシコ(獨協大学の有志学生記者、金田隼人撮影)

学生にインタビュー=2012年2月8日、メキシコ(獨協大学の有志学生記者、金田隼人撮影)【拡大】

  • 学生にインタビュー=2011年、ベルギー・首都ブリュッセル(獨協大学の有志学生記者、金田隼人撮影)
  • 学生にインタビュー=2012年1月、英国・ケンブリッジ(獨協大学の有志学生記者、金田隼人撮影)
  • 学生にインタビュー=2011年9月15日、タイ・首都バンコク(獨協大学の有志学生記者、金田隼人撮影)
  • 学生にインタビュー=2011年、ベトナム・ホーチミン(獨協大学の有志学生記者、金田隼人撮影)
  • 学生にインタビュー=2011年10月31日、イスラエル・首都エルサレム(獨協大学の有志学生記者、金田隼人撮影)
  • コペンハーゲン大学の日本語学科の学生たちと大学寮のラウンジにて=2011年、デンマーク(獨協大学の有志学生記者、金田隼人・本人提供)

(上)“グローバル化”に受け身では… に戻る

 ~世界の若者と交流して分かったこと~

 旅で痛感したのは、教育から根付いた「当たり前」が日本とは全く異なることだ。

 イタリアでは、一般高校(5年制)で早くも専門科目を専攻する。エジプトでは、小学校が5年制のため、日本より1年以上早く21歳で大卒としてIBMで働いている学生がいた。イスラエルでは、軍役が男性3年、女性2年と義務づけられているので高校卒業後、軍に入りその後受験勉強をする。韓国の男性もこれと同様である。

 シンガポールでは、小学校の成績順で中学校のクラスが分けられ、その後の進路がほぼ決まってしまう。大学進学率は10%ほどで、さらに優秀な学生は政府の要請で海外へ留学するという。インドでは、生まれた瞬間にカースト制度で階級が決まり、大学に進学する人はほんの一握りである。

 一方の日本は、大学の進学率は世界と比較すると、かなり高い。しかし、海外を目指す留学生の数は年々、少なくなっている。欧米の大学を見ると、中国人やインド人が圧倒的に多く、韓国人もいる。それでも、日本人の留学生は増えない。

 制度に守られた学生

 海外の学生に一番驚かれたことは、私が企業から内定をもらいながら、休学せずに半年間世界一周の旅をしているということだった。海外の大学の多くでは、在学中に企業内定を持っていること、それ以前に就職活動をすること自体ありえない。

 ヨルダンでは、大学卒業後アラブ諸国でインターンをしてからでないと、国内で就職がほとんどできないらしい。そもそも卒業後すぐに就職というのも変な話である。新卒一括採用は日本独自の制度で、外国では基本的に就労体験を在学中、卒業後に積んで就職をする。日本と外国の企業では学生に求めるものが違うのだ。

(次ページ)「新卒一括採用」なくなれば、日本の学生はさらに路頭に迷う

  • 大学生が見た「日本式が勝てないワケ」(上)“グローバル化”に受け身では…

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