2011.12.31 05:00
--今年を振り返ると
「2011年3月期は当初、黒字化のめどがついていたが、東日本大震災による1カ月の生産停止で大きな赤字を背負い、最終赤字に転落するなど残念なスタートとなった。6月に生産を再開し、年度後半から巻き返そうと考えていたが、今度は円高の影響で12年3月期の業績見通しを下方修正せざるを得なかった。マツダは国内生産比率が高く、円高のインパクトは大きいものがある」
--タイの洪水でも現地の生産が停止した
「未曽有の天変地異は、経営にボディーブローのように効いている。ただ、厳しい分だけ、企業体質は強くなっている。円高には特効薬はなく、鍵となるのはブランド価値を高めること、モノづくり革新を通じてのコスト競争力の向上、新エンジン技術の『スカイアクティブ』、新興国での展開強化の4つだ」
--スカイアクティブ技術では6月に「デミオ」、9月に「アクセラ」が発売になった
「既存のエンジン技術を高度化して低燃費化を図る戦略として、かつては電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)の技術がないからやっているんだろう、といわれてきた。だが、実際に商品化できると風向きが変わり、いい技術だと評価されるようになっている。第3のエコカーという表現も、EV、HVに加え、エコカーの選択肢を広げることになる。来年前半から、スカイアクティブ技術を全面的に採用したSUV(スポーツ用多目的車)『CX-5』を世界で発売する。SUVは世界で400万台の市場で、その上、各国で販売が伸びているジャンルだ。スカイアクティブ投入の成果を刈り取る“元年”になる」