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「出羽守」と反発されても 人権や自由について言っておきたいこと (1/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 ぼくは「出羽守(でわのかみ)」のカテゴリーに入るらしい。生活拠点の場所から「欧州では」「イタリアでは」と話す場合が多いので、必然的にそうなる。日本以外のどこの国にいても「出羽守」と言われるわけでもなさそうだ。殊に北米と欧州にいる場合にそのような「称号」を授かるようだ。

 そんなのいらない! 面倒なことだ(笑)。

 海外に住んでいて何かを発信する。すると、「日本のコンテクストは違う! そのまま適用できない」と脊髄反射的な反応をする人が相変わらずいる。いや、単に事実を話しただけなのに…。

 「日本でもそうすべきだ」と言われているような気になる人がいる。

 このあたりの物言いに気をつけるようになったのは20年くらい前からだ。欧州文化の魅力が一層色あせたと思われるようになったタイミングだ。でも、それなりに市場としての力はある。

 「欧州の人の感覚と考え方って、こうなのですよ。日本で生活する分には知らなくてすみますが、あなたの商品を欧州市場で売りたいのなら、このように理解しないとあなた自身が困りますよ」

 欧州市場でビジネスをしたいと言う人たちに対しての決まり文句でもある。ビジネスの成功のために欧州文化を理解するのなら、聞く人も「いや、日本では!」と反発することもない。

 それでも、まったく気を遣わないわけではない。欧州文化の特徴が世界で正当性をもつところは依然ある。そこは市場とは関係なく参考にするといいと思う内容を示唆するときだ。

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