働き方

政府、コロナ対応の診療報酬大幅拡充 外来も支援強化へ

 政府が新型コロナウイルス患者の重症化を防ぐ抗体カクテル療法を行う医療機関への診療報酬を引き上げ、感染が疑われる発熱外来の報酬も拡充する財政支援を新たに導入することが26日、分かった。希望者へのワクチン接種が完了する見込みの10~11月以降、抗体を多くの国民が獲得するまでの間に医療機関への支援を手厚くし、冬場の感染対策に万全を期す。28日に公表する。

 自宅・宿泊療養者の緊急往診について、9500円の報酬を28日から当面の間、3倍に引き上げ、抗体カクテルを投与する場合は引き上げて5倍にする。緊急訪問看護の報酬も現行の3倍に引き上げる。第5波で病床確保が難航し、軽症や中等症の在宅療養者が急増した経緯を踏まえた。

 感染疑いのある患者を診察する発熱外来への対応を自治体のホームページで公表した医療機関に限り、報酬の特例を3千円から5500円に積み増す。コロナ患者の外来診療に9500円の加算を新たに認め、抗体カクテルを投与した場合はその3倍の2万8500円とする。

 昨年9月、インフルエンザとの同時流行に備え発熱患者の受け入れ体制を整えた医療機関向けの補助金を創設したが、インフル患者は激減。一方、風評被害への懸念から発熱外来を実施する医療機関名の公表が進まず、コロナ疑いの患者が初期症状の段階で発熱外来にアクセスしにくい事態が生じたため、実際に発熱患者の診察を行う医療機関への支援を重点化する。

 また、医療機関の感染対策支援として年末までの3カ月間で病院は10万円、診療所は8万円を上限に実費を全額国費で補助する。全患者を対象に外来1回50円、入院1日100円を上乗せしている診療報酬の特例措置は、医療機関の収入が感染拡大前の水準を上回っていることを踏まえ今月末で打ち切る。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus