SankeiBiz読者のみなさんにだけ客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第112回はアジア系航空会社で乗務4年目の大瀧葵がお送りいたします。
皆さま、各エアラインによって独自のルールや規則があるのはご存知ですか?
私自身も入社前から、外資系エアラインには、外資系ならではの変わったルールや乗務員の見た目への厳しい規則があるということを聞いてはいました。そして、いざ入社してみてびっくり! 思っていた以上にたくさんの厳しくも面白いルールがあり、驚きの連続でした。
今回は、実際に私が働くエアラインを参考にして、その“超厳格”なルールをいくつかご紹介していきたいと思います。
退社するまで着続けるフルオーダーメイドの制服
私の会社では身体のラインが強調される民族衣装の制服を着るので、入社時に、オーダーメイドで自分の体形に合った制服を作ってもらいます。テーラーさんに体の細部まで細かく測って作ってもらうのですが、私は実際に手元に届くまで4回も採寸しました。
ちょっとでも体と制服に隙間があると直しが入り、上から下まで全身ぴったりのサイズになるまで丁寧に何度も見直しが入ります。訓練終盤の、いざフライトするぞという乗務ギリギリまで制服が手元になかったので、ちゃんと間に合うのか内心ヒヤヒヤしながら心配になるほど。
しかし、そのお陰で今では自分の身体にフィットする制服を着ることができています。逆にフィットしすぎて、機内でたくさん食べてしまうとウエストがキツくなることも多々。そういった時はこっそりチャックを下げて苦しくないようにしているのです(笑)
また、このサイズは辞めるまで変更することができない決まりです。必然と、入社当時の体形を維持するモチベーションに繋がってきます。
年3回の体重チェックが必須事項
私の会社だけでしょうか? 体調管理と制服の着こなしの観点などから、年に3回の体重チェックが行われています。
各自の身長に対して体重制限が設けられており、その基準を下回っても上回ってもいけないというなかなか厳しい決まりです。測った体重は記録として残されるので、個人の体重を会社が管理している状態です。
体重チェックの時期になると、「今ダイエットしているからミール(機内食)は食べないわ~」なんていうクルーもよく見かけます。
あるフライトでは、このコロナ下で体重が10kgも増えてしまい、「確実に体重オーバーになった」と、必死に減量するクルーもいたり…。実際に体重オーバーになってしまってフライトを外されてしまったというクルーを目の当たりにすることもありました。
「機内で働くCAたるもの会社の顔でなければならない」という認識が強いのか、個人の体形維持に関してもみんな並々ならぬ努力をしているのです(涙)