社長を目指す方程式

喉から手が出るほど欲しい…「チームプレー」に長けた人物の見抜き方 (1/3ページ)

井上和幸
井上和幸

《今回の社長を目指す法則・方程式:パトリック・レンシオーニ「理想のチームプレーヤー・モデル」》

 上司の皆さんはメンバーたちに、チームプレーを求めていることでしょう。同僚や上司、あるいは社外のパートナーとも気持ちよく、うまく仕事をし、チームの活動に付加価値を与えてくれるメンバー。そのような頼もしいメンバーたちでチームを構成したいと願っているはずです。

 チームプレーに長けたメンバーを育成することも上司の重要な役割ですが、一方でコロナ禍でリモートワークが増えたことで、チームプレーの成立については、従来以上にメンバーたち個々人の資質に寄らざるを得ないのも事実。ではいったい、チームプレーに長けた資質を持つメンバーを、どう見抜けば良いのでしょう?

 優れたチームプレーヤーが必ず持つ「3つの美徳」

 皆さんは、具体的にどのようなメンバーがチームプレーヤーであると判断されていらっしゃいますか? 周囲と融和して働ける人、他のメンバーたちを巻き込みリーダーシップを発揮してくれる人、自分のエゴではなく他者への貢献を常に考え行動する人、そもそも心根の良い人…。

 優れたチーム作りで世界的ベストセラーを持つ経営コンサルタントのパトリック・レンシオーニによれば、優れたチームプレーヤーは3つの美徳を持つといいます。それは、「謙虚」「ハングリー」「スマート」です。

 優れたチームプレーヤーは、過剰なエゴや上下関係のこだわりがありません。周囲の貢献を積極的に称え、自分に注目を集めることには腰が重い。自分よりもチームを主体と捉え、成功は個人ではなく全体のものと考える。「謙虚」さはチームプレーヤーにとって最大の要素であることに、どなたも異論はないでしょう。

 「謙虚」さに欠けたメンバーとは、自分のことばかり考えている傲慢なタイプか、必要以上に自尊心の低いタイプか、いずれか2タイプだとレンシオーニは言います。どちらのタイプにも共通しているのは「不安」「自分への自信のなさ」。精神的に成熟している、安定している人が「謙虚」になれるのです。

 「ハングリー」なメンバーは、常に今以上を求めている、もっとたくさんのことをしたい、もっと学びたい、もっと責任を負いたいと思っています。自分の中に動機があり勤勉なため、上司の皆さんが「もっと働け」「もっと頑張れ」「もっと上を目指せ」と焚きつける必要がありません。彼らはそもそも、自分が怠け者だと見られることを最も嫌います。ただし、このハングリーさが自分の利益追求にしか向かない人は要注意。チームに害をもたらします。

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