《今回の社長を目指す法則・方程式:「スリッパの法則、お土産の法則」》
新年度がスタートしました。新体制での組織に対応して、顧客の担当変更が行われたり、新規取引開拓にも力を入れるこのシーズンですが、一方で大阪・兵庫・宮城に「まん延防止等重点措置」が適用され、12日より東京・京都・沖縄が加わった6都府県に拡大されるなど、“第4波”への懸念も高まっています。このぶり返し続けるコロナ禍においては、取引先企業の与信に平時以上に留意する必要があります。
目の前の企業を今後の取引先とすべきか否か…上司の皆さんも心砕く必要もあるこの時期。今回は相手先企業を見抜く経験則の代表例をご紹介してみます。
オフィス、お作法で一目瞭然?!
皆さんは「スリッパの法則」を聞いたことがありますか?
これは、「事務所でスリッパに履き替える会社は、不思議と儲からない」という経験則です。ひふみ投信の藤野英人さんが紹介して有名になりました。
元々はその藤野さんも所属されたことのある外資系資産運用会社、ジャーディン・フレミング投信・顧問会社(2000年にJPモルガン・チェースに吸収)の当時の外人幹部が、投資判断において多くの日本企業を訪問して発見した経験則なのです。
なぜなのでしょうね? 一説には、玄関でスリッパに履き替えるという行為はプライベートな家のお作法なので、“ファミリーな会社”にはなるものの、事業拡大・組織拡大をしていく“ビジネスモード”のスイッチが入らないオフィス風土になるから、と言われますが、ことの真偽は分かりません。
このジャーディン・フレミング投信・顧問会社が日本市場(日本企業)で発見した経験則は「スリッパの法則」以外にもたくさんあります。ご紹介してみましょう。
・お土産の法則
会社を訪問した際、帰り際に「本日はどうもご来社くださりありがとうございました」と言われて、手土産を渡された経験を持つ方も少なくないのではないでしょうか。地方の企業や、創業からの年数が立っている老舗企業に多い印象があります。
この法則での論点は、そのお土産の種類にあります。
渡されたお土産が自社製品であればなんら問題はなし。しかし、くださったお土産が自社製品以外のものだった場合、その会社への投資は儲からないのだそうです。
これもあえて推測するならば、わざわざ自社以外のものを購入して来客に渡すということは、「必ずしも必要だと言えないこと」にお金を使う体質があるということでしょうか。こうした会社は無駄使いをしがちな、見栄っ張り? の古い体質企業だという見方も、投資系の会社にはあるようです。