2022年春卒業・就職組の求人倍率は、コロナ禍でも、バブル経済崩壊後の景気低迷期のような低水準は避けられそうだ。リクルートキャリアの増本全・就職みらい研究所所長は「業界によって増減の濃淡はあるが、全体としては、21年卒組と同等の求人になるだろう」と予測する。
20年春卒業組までは深刻な人手不足もあって、同社の調査では求人倍率が1.8倍前後と高水準で、学生にとっての「売り手市場」だった。コロナ影響で、21年卒組は1.5倍程度で、売り手市場とは表現しづらい状況だが、1996年春卒の1.08倍や2000年春の0.99倍といった深刻な状況には至っていない。22年春組もこの1.5倍程度を維持できると、増本氏は予測する。企業としても採用を抑制した時期があったことで、人員構成がいびつになったことへの反省や、今後若年人口が減少する中で、人材確保が欠かせないためだ。
ただ、増本氏は「採用数50人以上の会社では、採用予定を減らしており、大手企業では採用基準をこれまでより引き上げる」と説明する。それだけに、「企業情報の収集など、早めに取り組む必要がある」と、学生に向けアドバイスする。