CAのここだけの話

「CAママでよかった」と思える瞬間 仕事復帰したから出会えた感動フライト (1/3ページ)

仁尾文
仁尾文

 SankeiBiz読者のみなさんだけに客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第93回は中東系航空会社で乗務する仁尾文がお送りいたします。

 みなさん、客室乗務員の中にもワーキングマザーとして仕事をしている人がいることをご存知でしょうか?実は、私もそのうちの一人、“CAママ”なのです。現在、5歳の男の子と2歳の双子の女の子、3人の子供がいます。

 今回は、「CAという仕事が結婚そして出産後も継続可能であること」「CAママならではの働きぶり」をシェアしたいと思います。

産後は辞めようと思っていたけれど、生後5カ月で仕事復帰

 今の会社に入社したのは、ちょうど13年前になります。その時は、20代半ばで独身でした。

ドバイに住み始めてから3年くらいした時に、今の夫と出会い、2年後に結婚し、翌年に第一子をドバイで出産しました。客室乗務員の場合は、妊娠が発覚した時点で会社に報告し、すぐさま産休へと入ります。

 産休制度は会社によって異なるのですが、私の会社は「出産した日から数えて145日」で仕事に戻る訓練を受けなければなりません。仕事復帰の時、赤ちゃんはまだ生後約5カ月ということになります。もちろん、出産をきっかけに仕事には戻らずそのまま辞めてしまうクルーもたくさんいます。

 私も本当は辞めたかったのですが、夫の後押しもあり、出産後に仕事復帰する決意ができました。

 さきほど「出産後145日」と言いましたが、それが実は、その時の会社の事情にもよるのです。私が息子を産んだ5年前は、まだまだ新しい就航地も増え、クルーが充分にいたので、会社から2カ月余分に産休をいただきました。

 それに比べて双子を出産した年は、クルーの人数も足りておらず、月の平均フライト時間が全員80~100時間という多忙な年だったため、出産後のちょうど145日で復帰することになりました。ですがその時は、多胎出産だったのと、その双子が2カ月も早く未熟児で産まれてきてしまったので、マネージャーに掛け合い、「せめて1カ月だけ産休を伸ばして欲しい」と懇願した末、会社が私の要望に応えてくれる結果となりました。

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