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カッコから入るのも大事 TOKYO BRTプレ運行に試乗する (1/3ページ)

秋月涼佑
秋月涼佑

 何かを始めるときにまずはカッコから入らないと気が済まない人がいます。勉強するとなればまずは参考書を買いそろえ、机の上の整理を万全にするところから入ります。事業を始めるならば会社のロゴを考え、凝りに凝った名刺を作ったりします。そうこうしている間に最初の熱量が失われてしまい、本来の目的にたどり着かないままちょっと失速気味になったりするのも憎めない人間の性質かもしれません。

 そうなんです、いよいよ10月からのプレ運行がスタートした東京BRTも、なかなかのカッコマンぶりを発揮しているのです。 

 “BRTとは「Bus Rapid Transit」(バス高速輸送システム)の略です。連節バスの採用、走行空間の整備等により、路面電車と比較して遜色のない輸送力と機能を有し、定時性・速達性を確保した、バスをベースとした交通システムを指します。”(TOKYO BRTホームページより)

現時点ではただのバスと言えなくもない

 ということで、BRTはバスであってバスではない乗り物なはずなのですが、現時点で辛口に言えば外見以外は限りなくバスかもしれません。乗り物好きだろう方もカメラ片手に試し乗りに来ていますが、ネットでもチラホラ「ただのバス?」とのツッコミの声が聞こえてきます。

 やはり誰もが期待する定時性・速達性の肝となる、BRT進行方向の信号をどんどん青にしていく信号制御も未導入、カメラによる誘導でバス停5cm程度まで自動的に車両を寄せることができる正着制御も晴海BRTターミナルのみ導入の実験段階ということで、現在は一般道をただ普通に走っているだけと言えばその通りなのです。確かにプレ運行の環状2号線と晴海のエリアはオリンピックに向けて再開発されつつあるエリアですから、道幅も広くそもそも信号も少ないので普通に早いのですが、BRTという響きに大きな期待をするとちょっと肩透かしかもしれません。 

 しかも車両自体も、東京で目新しいのは二両編成の連結バスですが、今のところその連結バスは一編成だけです。従来型のバスに合わせて、未来感覚あふれる乗り心地の燃料電池バスTOYOTA SORAが多く配備されていて、それなりに期待感に応えてくれますが、今やこのSORA 都営バス他導入するバス会社も増え、某企業は社員送迎用にも利用しているくらいですから、何もBRTだけの乗り物ではありません。(ブランドウオッチング過去記事:「トヨタSORA」で未来を体感 五輪の東京走る燃料電池バス

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