元受付嬢CEOの視線

受付嬢の少し悲しいランチ事情 OLの中でもっとも地味なお昼休み (1/2ページ)

橋本真里子
橋本真里子

 受付嬢を引退してからもうすぐ5年が経とうとしています。受付嬢人生が長かったため、今でも当時をよく思い出しますし、身について離れない習慣もあります。この季節によく思い出すことはこんなことです。

 つらい思い出編

  • ・風邪をひいても病院に行けなかった
  •  受付嬢はシフトに穴を開けられません。受付に「いること」が仕事の一つでもあるため、ちょっと仕事を調整し、会社を抜け出して病院に行くことも難しかったのです。
  • ・マスクをすることが許されなかった
  •  「受付は会社の顔」。会社のブランディングの一つでもあるので、インフルエンザが流行ろうが、花粉症がひどかろうが、イメージを損ねる可能性がある行為は基本的には禁止でした。
  • ・ランチは基本的に社内で食べる
  •  シフトの都合上、「1時間」とることが難しいため、必然的に地味なランチに…。

 身についた習慣編

  • ・時間をきっちり守る
  •  受付嬢はシフト管理がきっちりされており、オンタイムで動かないと業務に支障をきたします。業務として会議室の管理もしていましたし、使用時間を守らないと次の使用者も困るというシーンを目の当たりにしていたという背景もあります。今では、往訪先でも「アポを取った時間内に済ませよう」などと気になってしまうほどです。
  • ・常に100%の自分を演出する
  •  受付嬢時代は毎日、「受付は舞台。受付嬢は女優」という意識で仕事をしていたため、ヘアメイクは常にバッチリ決めて仕事に臨んでいました。それは経営者になった今でも意識していることです。

 このようなことが受付嬢時代は毎日当たり前に求められていました。受付嬢に限らず、接客業・サービス業にシフト制で従事している人の中には同じ経験や苦労をされている方々も多いでしょう。

 当時とデスクワークも増えた今を比較すると、今はマスクを装着してできる仕事もあり、病院に行きたい時は仕事を調整して行くことができます。受付嬢時代のように、分単位で時間通りに動かなくてはいけないシーンは減ったと感じます。辛い思いをしたからこそ、今、選択肢を持てることを幸せに感じます。

 そんな経験の中から今回は、皆さんも気になるであろう「受付嬢のランチ事情」について触れてみたいと思います。

 おそらくOLの中で一番地味なランチ

 受付嬢は1時間の休憩をとることが難しい以外にも、ランチタイムを充実させづらい理由があります。それはずばり、「制服を着用している」からです。

 制服姿はレストランや社員食堂に行くと意外と目立ちます。私も経験したことがありますが、まれに外でランチをすると、「受付の橋本さんがこの前、△△で○○を食べていたよ」と言われたりするのです。正直びっくりしました(笑)

 私がどこで何を食べようが気にもならないだろうと思っていたのに、そんなことが話題に上がるなんて。受付嬢って何かと話題に上がりやすい職業なんだなとも思いました。そしてもう一つ、制服でランチに行くことの難点は、調理油など食べ物の「匂いがつく」ことです。匂いの観点から、受付嬢の選考基準に「喫煙者は採用しない」と明確に入れている会社もあるほどです。会議中にお茶出しのために入室し、受付嬢の制服からタバコの匂いがしたらいい印象は持たないですよね。

 こういった理由で、多くの受付嬢たちは、通勤前にコンビニでお昼ご飯を調達してくるか、お弁当を持ってくるなどして、あまり人目に触れずランチをとっています。

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