元受付嬢CEOの視線

百発百中?…採用面接で応募者の心を掴む男性役員 聞き上手は仕事もデキる (1/2ページ)

橋本真里子
橋本真里子

 「話す」より「聞く」ほうが難しい

 いよいよオリンピックイヤー突入しましたね。皆さん、今年の目標は立てられたでしょうか。私は昨年から、社員に「今年一年の目標」を共有する試みを始めました。社員だけが目標を立て評価されるのでは一方的ではないかと考えたからです。そんな私の今年の目標の一つは「聞き上手になること」です。

 2019年最後となった前回は「話し方」に言及させていただきました。「話し方に自信がない」という人は多いのですが、「聞き方に自信がない」という人は意外に少ないものです。「自信がある」というよりは、無意識ゆえの「おそらくできている」という認識によることが多いでしょう。

 実際は、話すスキルよりも「聞く」スキルを磨くほうが難しいものです。今回は私の身近にいる「聞き上手」から学んだ、すぐに実践できそうな技術をお話しします。

 魅力的な人材も引き寄せる 掘り下げる能力

 以前、弊社は比較的、人材採用がうまくいっているというお話をしたことがあります。人材不足にはあまり悩まされていません。実はこれは弊社のCOO(最高執行責任者)の力が大きいのです。

 弊社の採用フローでは通常、COOの真弓があらかじめ面接した後に、私が最終面接をさせていただきます。最終面接にお越しいただく方に毎回のように言われることが「真弓さんはとにかく僕の話を聞いてくれて…」「真弓さんが聞き上手なのでついつい色々喋りすぎちゃって…」といったことなのです。とにかく真弓が面接させていただいた方は、彼のことを大好きになり、私が担当する最終面接にも入社意欲を高めて臨んできてくれるのです。

 真弓本人にもたずねたことがありました。「どうしてこんなに、皆さん、前向きに入社を検討してくれるんだろう? いつもどんな風に面接してるの?」。そしたら真弓は「とにかく話を聞いて、その話を掘り下げていくんだよ」と明かしてくれました。とことん聞くと、転職希望者も気持ちよく、そして楽しくなり、様々なことを本音で語ってくれるそうです。

 転職には何かしらの「転職したい」理由や動機があるものです。中には前職への不満などネガティブなものもあるかと思いますが、真弓はそういう動機で面接に来られた方の話をじっくり聞いて“表面”と“深部”の両方の気持ちや人柄に触れているのだと思います。

 私はついつい、応募者より自分自身のほうが話しがちなので、真弓のこの姿勢には非常に刺激をもらいました。

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