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もうすぐ忘年会シーズン さあ、酒をやめてみないか? 私はこうして禁酒した (1/2ページ)

常見陽平
常見陽平

 11月がやってきた。今年も残すところあと2カ月を切った。ビジネスパーソンにとっては、公私ともに忙しくなる時期である。そう、忘年会・新年会シーズンだ。『風の谷のナウシカ』の「火の7日間」のような日々が始まる。

 「酒をやめる」は正論

 昨年の宴会芸といえばDA PUMPの「U・S・A」だったが、今年は「パプリカ」の準備で大変だという人も多いことだろう。宴会芸はともかく、飲食の回数が多く、胃や肝臓、さらには財布が心配な人も多いのではないか。特に二日酔いの日々が続くことに不安を抱えていないか。酒でやらかしてしまうことや、飲み会帰りの電車で、トラブルに巻き込まれることを恐れる人もいることだろう。

 酒に関わるリスクを劇的に減らす方法がある。それは、酒をやめてしまうことだ。詭弁だと思うだろう。「そんなことできるのか?」と石を投げたくなる人もいるかもしれない。ふと、アントニオ猪木が予備校で講演をした際に「夜の勉強が捗らない」という相談に「昼間やれ、昼間!」と回答したことを思い出した。さすがの猪木と思ったが、今、思うと、正論である。この際、酒をやめてしまう選択は極論のようで、実は正論である。

 なぜ、酒を飲むのか。酒を飲まなければ、どうなるのか。これは実は自己分析のようなものである。

 最近、発売された町田康さんの『しらふで生きる』(幻冬舎)は、30年間毎日酒を飲み続けた大酒豪の作家が、4年前から禁酒をした体験を書き綴ったものだ。健康や禁酒のノウハウ本かというと、やや違う。美しい成功体験談かというと、それとも違う。そこで綴られているのは、酒を手放した人生であり、その味わい方である。そもそも酒とは何かということが問われている。酒をやめることは健康上のメリットだけでなく、人生を深く味わう行為であるのだと感じさせるエッセイだ。

 私も酒をやめて11カ月になる。昨年の12月22日以来、一滴も飲んでいない。いまや、ケーキや洋菓子で酔ってしまうほど、アルコールが苦手になってしまった。ノンアルコールビールもしばらく飲んでいない。先週、居酒屋でノンアルコールビールを頼んだところ、アルコール度数0.00%なのにも関わらず、味がリアルだからなのか、酔って気持ち悪くなってしまった。禁酒を極めるとこうなる。

 毎日、朝が辛かった

 以前は、飲みの席だけでなく、毎日、家でビールをあけていた。6缶パックを買ってきて、その日のうちにあけてしまうこともあった。ウイスキーや焼酎も常備しており、延々と一人で飲み続けていた。

 もちろん、これだけ飲んでいるとトラブルも起こる。酒を飲みながら登壇するトークイベントやニコ生では暴走したこともあった。電車で寝飛ばしたこともよくあった。毎日、朝が辛かった。

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