ビジネストラブル撃退道

客の荷物を勝手に捨てた“トンデモ宿”騒動に見る「常識的であれ」の重要性 (1/3ページ)

中川淳一郎
中川淳一郎

 とあるビジネスホテルが客の預けた段ボール箱入りのガレージキット(組み立て式模型)をゴミだと思って捨て、それらが破損していたことを客からツイッターで暴露された。まったくもってして意味の分からない対応だ。客はキャリーバッグの上に段ボールを乗せ、テープで固定させていた。ホテルの対応で意味が分からないのが、以下3点である。

  • なぜ勝手に開ける?
  • なぜ勝手にゴミだと解釈する?
  • なぜ、その勝手な解釈を基に捨ててもいいと思うのか?

 今回、客の男性はこの顛末をツイッターで明かすとともに、ホテル側との会話も録音していると報告。9月6日のツイートだったが、10月19日にJ-CASTニュースに報じられ、Yahooニュースでも「国内」カテゴリーでアクセスランキング1位になるなどした。

 最近、自分自身常に意識しているのが、「とにかくアホなことや非常識なことはするな」ということである。それは普段の生活でもそうだし、ビジネス上でもそうだ。いや、特にビジネスの場ではそれを強く意識している。

 今の時代、非常識な対応をした場合、すべてネット上に明かされ、炎上し、挙句の果てには廃業に追い込まれる可能性がある。いや、非常識ではなくても一部分を切り取られてその部分が公開されて非常識扱いされ炎上する可能性はある。たとえばこんなシチュエーションを考えてみよう。

  • 狭い道を全部塞ぐ形で5人が横一列に並んでデレデレと歩いている
  • 後ろの人々は追い越すことができない
  • その中で、荷物を持った配送業者の男性がイライラしながら強引に割って入る
  • 5人のうちの一人が「痛い、痛い!」と騒ぎ、「謝ってくださいよ!」と言う
  • 配送業者は「お前ら邪魔なんだよ、道を塞いでおいて何言ってるんだよ。そっちが悪いだろ。謝る必要はないだろ?」と言う。

 さて、この状況で、【3】の中で割って入られた2人の部分だけを撮影し、【4】の部分と【5】の「道を塞いでおいて何言ってるんだよ」部分を削除して20秒ほどの動画を作りネットに公開してしまえば「【驚愕!】凶悪暴力〇〇(運送業者名)、いたいけな若者にタックル&暴言、傷害罪か」という動画を作ることができる。

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