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社会人生活に幻滅? 「学生時代に戻りたい」と嘆く若者に伝えたいこと (1/3ページ)

常見陽平
常見陽平

 学生時代を振り返ると…

 夏が終わった。新入社員たちも、社会人になって半年になる。中には「学生気分が抜けない」若者も散見される。

 就活での定番質問といえば「ガクチカ」だ。「学生時代に力を入れたこと」の略である。「サークルを立ち上げた」「みんなの意見を聞いて合宿を成功させた」「学園祭でタピオカミルクティーの店を立ち上げ、◯万円稼いだ」など、成功体験のプレゼンが行われる。

 たまに仕事に追われているとこんな感情が湧き上がる。「学生時代に戻りたい」と。

 しかし、ここで問いかけたい。「学生時代とは、そんなに美しく、素晴らしいものだったのか?」と。必ずしもそうではないはずだ。いかにも学生が就活で語るガクチカのような、美しい思い出が苦い日々を完全に覆い隠しているからこそ、そう思うのである。日々、仕事に追われていると学生時代は美化される。昔の仲間と再会する機会は同窓会や結婚式だ。悲しいことに、年齢を重ねるとお通夜や葬式ということもあるのだが。この手の場所では、やはり美しい思い出や、楽しいバカ話が語られる。

 実際は今の会社員生活同様の終わらない日常がそこにはあり、退屈したり、悶々としていたのではないだろうか。学生時代のスケジュール帳や、SNS投稿などを振り返ってみるといい。単位を消化するためだけに参加する講義、バイト先での理不尽な体験、サークルの面倒くさい人間関係、意思の疎通がうまくいかずなんとなく終わってしまった恋愛、金欠の日々などが蘇ることだろう。

 大学に何か過剰な期待をしてしまい、ガッカリしたことだってあるだろう。リア充になりたい、イケてる自分になりたいと思い、そうはなれない日々を。

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