東京商工リサーチ特別レポート

中国系企業が抱える親会社破綻リスク 米中貿易摩擦で懸念増す (1/3ページ)

東京商工リサーチ

 中国系企業やファンドによる日本企業の買収が増え、株主が中国系になった企業は多い。ところが、中国経済の冷え込みや米中貿易摩擦の余波で親会社が失速し、日本企業が影響を受ける事例が目立ってきた。燻(くすぶ)り続ける多様なリスクが、思わぬかたちで日本企業を巻き込む可能性が今後も高まっている。

連鎖破綻したシノハラジャパン

 産業機械製造のシノハラジャパン(静岡県島田市)は、中国のスポンサー企業の破綻で連鎖的に行き詰まり、6月11日に破産開始決定を受けた。

 同社は2011年1月に東京地裁に民事再生法の適用を申請した印刷機械製造のシノハラ(静岡市葵区、負債総額96億円)の第二会社。民事再生手続きで中国資本の企業が事業を継承し、新会社として設立された。従業員も引き継いで事業を継続し、レーザダイカット機の開発・製造販売など事業を拡大していたが、親会社の中国企業が破産し連鎖倒産した。

 自動車部品などを生産する国内の老舗メーカーA社も、数年前に傘下入りした中国の企業グループの再生手続き入りで対応に追われている。

 日本の民事再生法と同等とされる「破産重整申請」を提出したのは中国浙江省を拠点とする銀億集団有限公司(寧波市)と寧波銀億控股有限公司(同市)の2社。6月14日に寧波市中級裁判所に申請した。銀億グループは中国国内で不動産業を手がけるほか、海外の自動車部品メーカーを傘下に収めていた。

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