あなたの会社にこの春入社した「令和」時代最初の新入社員はどうしているだろう。仕事も一通り覚えて会社や周囲にもなじんできたころかもしれない。だが、彼らはどうやら一筋縄ではいかないらしい。最新の意識調査から浮き彫りになった「令和」世代社員の実態と“取扱説明書”を専門家が指南する。
企業の人材育成を支援しているリクルートマネジメントソリューションズは、2010年から毎年、新入社員の意識調査を実施している。今年も新入社員に対し、期待や不安などに関する質問を行い、結果を経年比較した。
調査対象は、全国各地で同社が実施した新入社員導入研修を受講した男女1178人で、98.2%から回答を得た。
「マナー」より「スキル」?
まず、「働いていく上で大切にしたいこと」の調査では、昨年まで不動の1位だった「社会人としてのルール・マナーを身につけること」(今年は42.2%で2位)に代わり、「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」(43.8%)がトップになった。
また「何があってもあきらめずにやり切ること」(17.2%)で調査開始以来過去最低となった。
調査結果を分析した同社の小松苑子研究員は「今年の新入社員は、仕事を粘り強く進めるよりも、目の前の仕事に必要なスキルをすぐインプットしながら着実に成果を出すことに関心がありそうだ」と指摘する。
その背景として指摘するのが社会の情報化だ。「学生時代からスマートフォンを持つなど、欲しい情報をすぐ入手できる環境で育っているため、いかに最短距離でゴールに到達できるかを考えて行動する傾向」や、「時短」「働き方改革」などの言葉に代表されるように、「働き方の変容と連動して効率的に成果を出すことを重視する傾向が表れているのかもしれない」と小松氏はみる。