SankeiBiz読者のみなさんだけに客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第53回はヨーロッパ系航空会社の日本人CAとして乗務2年目の清水みながお送りします。
近年は多種多様な航空会社が運航をしており、世界中を気軽に旅することが可能になりつつありますね。一客室乗務員としても、より多くのお客様に空の旅を提供できる機会が増え、大変うれしく思います。しかし、残念なことに飛行機の運航にはCO2排出や大量の廃棄物排出など、地球環境への影響も伴います。
地球温暖化や地球全体の廃棄物・ごみ問題が無視できない現代、各航空会社でも環境に配慮した取り組みが行われているようです。
私の乗務する会社でも積極的にCO2排出量削減や持続可能な空の旅の実現に取り組んでいます。今回はその一部をご紹介いたします。
リサイクルについて熱く語るオランダ人
オランダでは国土の約4分の1が海抜0m以下という土地柄、温暖化による海面上昇は大変深刻な問題です。そのため環境への関心が非常に高い国です。私が日々一緒に働くオランダ人もエコ意識が高い人が多く、リサイクルの話を熱く語る人も少なくありません。
日々の生活に必要なものは中古品を売買するネットサイトで購入するなど、日本のフリマアプリと似たWebサイトが日常に深く浸透しています。
シェアリングエコノミーの確立にも積極的です。あえて中身を見せるゴミ袋をデザイン・開発することによって、不用品として出されたモノを他の人が自由に持ち帰ることのできる仕組みが整えられている自治体もあります。
そのほかにも、鉄道は風力エネルギーで走行していますし、都市部では市民の3割以上が自転車で移動しています。太陽光発電機能を備えた道路を敷設したり、ビールメーカーは雨水を原料としたビールの商品化もしています。オランダはエコ志向の高さを実際に行動に移し、生活に反映させる力のある国でもあります。