社会・その他
仮想通貨無断採掘、「有罪」見直しか 12月に最高裁弁論
最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は、運営するウェブサイトに、閲覧者のパソコンを暗号資産(仮想通貨)の獲得手段「マイニング(採掘)」に無断利用するプログラムを設置したとして、不正指令電磁的記録保管の罪に問われたウェブデザイナーの男性(34)の上告審弁論を、12月9日に開くと決めた。無罪とした1審判決を破棄し、罰金10万円とした2審東京高裁判決が見直される可能性がある。
不正指令電磁的記録保管罪は、コンピューターを使う際に、端末利用者の意図に反した動作をさせるコンピューターウイルスなどを取得・保管する行為を禁じている。公判では男性が設置した「コインハイブ」と呼ばれるプログラムが処罰の対象となるか否かが争点となっている。
1審横浜地裁は、コインハイブが意図に反した動作をさせていたことは認定したが、「不正な指令を与えるプログラムとするには疑いが残る」として無罪を言い渡した。
これに対し、東京高裁は、コインハイブが採掘に利用されていることは閲覧者のパソコンに表示されておらず、一定の不利益を与えるプログラムだと指摘。「一般的な利用者が(無断作動を)容認しないことは明らか」として、不正だと結論づけた。
男性は平成29年10~11月、運営するサイトにコインハイブを設置し、閲覧者のパソコンの処理能力を採掘に無断利用したとして、略式起訴された。これを不服として正式裁判を申し立て、一貫して無罪を主張している。