2021年ももう3月、一年の4分の1が終わろうとしています。そんな中、弊社では数名が退職しました。弊社は現在6期目を迎え、創業当時から携わってくれている社員も転職を考えるタイミングなんだと思っています。それだけ時間が経っているんだと会社の成長を実感する部分もありますが、やはり、転職などにともなう退職、いわば「卒業」は経営者として寂しく思う部分もあります。
しかし、人生というのは自分自身がオーナーです。弊社で私たちと一緒に仕事をすることが、その人を成長させることもあれば、フェイズが変わり、環境を変えたほうが成長できる場合もある。転職という「卒業」を繰り返しながら、「起業」に辿り着いた私自身もそれは実感しています。
企業も、成長する上で新陳代謝が必要です。社員の入れ替わりがあることはある種、健全とも言えるでしょう。「卒業=別れ」だけではなく、「転機=成長」と考え、前向きに送り出すように心がけています。
そこで今回は、私が直近の「卒業生」に贈った言葉をお話ししたいと思います。これは私が新型コロナウイルスの蔓延する最中、人生をどう捉えて、前向きに進んでいくべきかを考えた際に、新たに大切にしようと思った言葉です。私にとっては自分に課した「ルール」とも言えます。少しでも、読者の皆様の前向きな人生の実現のためのヒントになったら嬉しいです。
覇気を使いこなそう
私は、卒業生に贈る言葉に、「これからも社会で活躍してほしい」という願いを込めています。弊社は20代~30代の社員が多いのですが、私は卒業生よりも少し? 長く社会人を経験していますし、元受付嬢や経営者という立場柄、なかなか会えない人に会うことができたり、裏側を見ることも出来ていると思います。ですから、私が知る「社会で活躍している人」をイメージしながら言葉を抽出しました。
活躍している人の共通項の一つは「覇気があること」です。皆さんもご存じの言葉だと思いますが、意外と意識できていないのではないでしょうか。
覇気とは、「溢れるばかりの意気込み」や「物事を前に進めようとする意気」または「物事に積極的に取り組もうとする意気込み」を意味する言葉です。
転職したての頃は意識せずともこういった気持ちを持ち合わせていることが多いかもしれません。しかし、入社し、会社やその生活に慣れてくると、覇気を忘れてしまう人が多いような気がします。だからこそ覇気というのは常に自分で意識して持ち続ける必要があります。持ち続けている人は「物事を前に進める努力を怠っていない」ため、どんな会社でも活躍できるのだと思います。
しかし、ただ覇気だけ持っている人は時に疎まれる場合があります。人間誰しも、壁にぶつかったり、思うように物事が進まずに、精神的に弱ってしまうこともあります。そういった時に覇気だけでぶつかられてしまうとモチベーションが壊れてしまうかもしれません。
本当に活躍している人は「覇気」と「穏やかさ」を持ち合わせている人です。常に覇気がある人も、穏やかさと使い分けることで、より覇気が際立ったりするので、私も使い分けることを意識するようにしています。
手っ取り早く成長する方法
「成長意欲」「向上心」…。これらの言葉は面接でも多用され、社会人経験がある人であれば、何度も口にしている言葉ではないでしょうか。「仕事とは成長だ!」というような言葉を上司からかけられた人も少なくないでしょう。私も起業してからの数年、成長するのに必死です。
社会人になって使う「成長」という言葉は抽象的だと思います。何をもって成長とするか、定義によっても変わってくるでしょう。実際に自分が成長しているかを測ることも難しいかもしれません。
私は日々成長したいと思う中で「絶対に成長できるルール」を編み出しました。それは、「迷ったときは、自分にとって辛い道・難しい道を選ぶこと」です。
人生は選択の連続です。転職するかしないか。転職するとしたらどっちの企業か。自分で選択して進んでいきます。私は楽な方の道を選んで成長している人や活躍している人を見たことがありません。それは「楽な道=逃げている」からだと思います。
転職だけではありません。例えば、自分にとって非常に腹立たしいことがあったとします。その事柄や原因となった人に対して腹を立てるのは誰しも通る道です。
でも、腹を立てるだけでは何も解決しないと思います。自分なりにその事柄や人と向き合い、そうなった原因は何なのか、自分に非はないのか、繰り返さないようにするにはどうするべきなのか。そして負の感情を持ち続けていいのか…と考えます。
「腹を立てること」と「許すこと」。自分にとってどっちの道にたどり着くのが成長につながるのか。腹を立てて終わることは誰でもできる。だったら私は、許すことができるまで向き合って、自分なりに解を出し、腹を立てた感情を無駄にしないようにしたいと思っています。
一度「怒り」の感情を持った事柄や人に対して許すことは難しいかもしれませんが、私は成長のために難しい道を選ぶようにしています。こうすることで、「乗り越えた実感」を得ることができ、自分の成長も実感する頃ができます。
活躍する人=会いたくなる人
仕事というのはコミュニケーションの連続です。人と会わずして、関わらずして、仕事を進めるのは非常に困難です。であれば、逆に「会いたい人に会える」ようになると、仕事は面白いように進むと思います。
「会いたい人に会える人」になるには「自分が会いたいと思われる人」になることだと思っています。仕事で活躍する、あるいは仕事をうまく進めるための鉄則ではないでしょうか。
有限である時間を、自分のために使いたいと思ってもらえるか。これも意外と意識していない人が多いと思います。友人関係でも同じことが言えると思います。
以前この連載で、私がポジティブであることを評価していただいたエピソードをご紹介したことがあります。これは今でも意識し続けていることで、今でも褒めてもらうことがあります。
最近ですと「橋本さんは、話のポジティブな部分を切り取って、会話を前に返すことができて素晴らしいですね」と言っていただきました。私はむしろそんな風に表現できるその方が素敵だなと思いました。友人にも言われました。「何を相談しても、否定しないし、前にボールを投げてくれる。元気と勇気をくれるよね!」と。これまたとても嬉しかったです。
活躍している人の周りには、とにかく沢山の人が集まってくる気がします。周りにたくさんの人がいてくれると、困っている時に助けてくれたり、応援してくれたりと、倒れそうになっても支えてくれますよね。
周りにいる人が、今の自分を映し出す
最後に、私はこの言葉も伝えました。
- 「自分の周りにいる人は、今の自分を鏡に映した人です」
「他人は自分を映す鏡」という言葉があります。本当にいい言葉だと思います。自分がしたことは、自分に返ってくる。自分が変われば、周りも変わる。転職などのタイミングは自分を変えるチャンスでもあります。変えるんだったら、いい方向に変えて欲しい。私はそんな願いを込めて話をしました。そして自分が言ってるんだから、一番自分が率先してやらなければいけないなと自分に約束しています。
【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。アーカイブはこちら