CAのここだけの話

“謎”のCAライフQ&A 現役の客室乗務員がお答えします

海老原しおり

 SankeiBiz読者のみなさんだけに客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第78回は中東系航空会社に勤め乗務3年目の海老原しおりがお送りいたします。

中東系航空会社にCAとして勤める海老原しおりさん。提供:本人
南アフリカのケープタウンでは、一緒に乗務したクルーたちと世界最南西端の喜望峰を訪れました。夜からの10時間フライトの後で、みんな疲労困憊でした。 提供:執筆者
おすすめのお土産「第1位」としてご紹介したスパセイロン。スリランカのコロンボにある店舗はエキゾチックな雰囲気が漂います。あれもこれも…。私の場合、一度入ったら1時間は出られません! 提供:執筆者
カタールのドーハで、 アラビア半島の国々の民族衣装「アバーヤ」を購入してみました。この後はまだ一度しか着ていません(笑) 提供:執筆者

 「海外で客室乗務員をしてるよ」と友人に話すと、どんな生活を送っているの? どの国がおすすめ? と様々な質問をもらいます。そこで今回はCAに関してよくいただく質問にQ&A形式でお答えしていきたいと思います。

 Q:フライトでは世界中どこでも行くの?

 A:行きます。アジア、アフリカ、アメリカ、南米、ヨーロッパ、中東。私の勤務する会社では国籍に関わらず、世界中どこへでもフライトをします。「昨日はイギリス、今日はケニア、その次は韓国」なんてこともあるんですよ。そのおかげでこれまで網羅した国は54カ国。目指せ100カ国です!

 しかし航空会社によって「日本人は日本線のみ」という会社もあるので、会社の制度によってCAのフライト先は異なります。

 Q:ステイ先ではどこに泊まっているの?

 A:会社が指定するホテルに泊まっています。国によって泊まるホテルは異なりますが、マリオット、ヒルトン、シェラトン、グランドハイアットなどなど、一流ホテルに泊まらせてもらえることもあります。ヨーロッパよりもアジアでのステイのほうがホテルのクオリティが全体的に高いので、私のお気に入りの滞在先はアジアです(笑)

 Q:フライト中、クルーはどこで休憩しているの?

 A:フライトの時間帯にもよりますが、飛行時間が約9時間を超えるフライトになるとたいてい休憩をもらえます。機体によってはクルーが休める“秘密の部屋”「クルーレスト」で休憩をとります。一方、8時間のフライトでは休憩はありません。前日よく眠れなかったという日は体力的にきついです。

 Q:勤務体系は?

 A:日系の航空会社では、4日働いて2日休む「4勤2休」が主流だそうです。しかし、私の働く航空会社では、月に8~10日のお休みが基本で、フライト毎に1日休みがあったりすることもあれば、「7勤1休」を3回くらい続けた後、5日間の連休が突然アサインされることもあります。ですので、休みのサイクルは月によってバラバラです。

 「7勤なんて大変だ!」と思われるかもしれませんが、その分、連休がもらえた場合は日本に帰ったり、海外旅行に行ったりできるので私はとても気に入っています。

 こうした長めの連続勤務があるおかげで、中東という地に住みながらも、毎月1度は日本に帰ることができています。休暇で旅行に行くときは、ジョージア、トルコ、ブルガリア、ヨルダン、キプロス、ベトナム、オマーンなどを訪れています。

 Q:飛行機に無料で乗れるって本当?

 A:YESでもありNOでもあります。これも航空会社により制度が異なりますが、私が勤務する会社では年に1枚、無料の航空券がもらえます。その点ではYESです。

 じゃあなぜNOなのか? それは無料のチケットは1枚だけだからです。2枚目以降は航空券を安く買える制度を利用しています。ただ、難点は空席がないと乗れないこと…。常にお客様が優先なので、空席がないとスタッフは利用できません。

 搭乗直前になって他社のフライトがキャンセルになり、他社のお客様が弊社の便に振り替えで満席! なんてことも起こりかねません。その場合、空席がないので、ディスカウントチケットで乗ろうとしていたスタッフは飛行機に乗れなくなってしまいます。中東に戻る便でそんな事態になってしまうと仕事に支障が出る場合もあるので、このディスカウントチケットを利用する際はいつもドギマギしています(笑)

 Q:おすすめのお土産を教えて!

 A:ここでは女性へのプレゼントにピッタリのお土産を、ランキング形式でご紹介します。

 第3位 スリランカを訪れたらSPA CEYLON

 SPA CEYLON(スパセイロン)はスリランカ発祥のボディケア商品を取り扱うブランドです。レモングラスやフランキンセンス、カルダモン、ジャスミンの香りなど、様々な香りの商品を豊富に取り揃えています。日本にもお店はありますが、取り扱う商品が少ない上に値段が現地の2~3倍はするので、スリランカに行ったら購入必須のアイテムです。女性へのプレゼントにもピッタリ!

 第2位 中東を訪れたら金のネームネックレス

 中東には、金やダイヤなどを売る宝飾店がありとあらゆる所にあります。クルーにとても人気なのが、自分の名前が入ったネームネックレス。

 入れる名前の大きさや言語(英語かアラビア語)、チェーンの種類、長さなど、店員さんと相談しながらカスタマイズしていきます。もちろんネックレスだけではなく、ブレスレットやアンクレットにもしてもらえますよ。

 中東の宝石店は、日本のものよりも仲介業者の数が少ないため、商品を安く購入することができるからです。だいたい1本1万円~1万5000円といったところでしょうか? ただし、初めは少し高めの値段を設定してくるので、値切り交渉は必須です!

 第1位 タイを訪れたらテディベア

 世界中の女性CAならだれもが一つは持っているこのテディベアです。タイのテディベアショップ「Four Bears(フォーベアーズ)」は、様々なユニフォームを着たテディベアを、全てオーダーメイドで作ってもらえるお店なんですよ。

 CA、警察官、ナース、スポーツ選手、ウェディングドレス、民族衣装などなど…様々な衣装を忠実に再現し、頼めば名前も入れてくれるので世界に一つだけのオリジナルテディベアを作ってもらえます。オーダーはInstagramやWhatsAppなどのSNSからできます。ホテルへの配達も受け付けています。大切な人へのプレゼントとして、タイに行く機会があればぜひオーダーしてはいかがですか?

 CAの生活について、少しは“謎”が解けたでしょうか? これはあくまでも私の勤務する会社のお話なのですが、少しでも私たちの生活について知ってもらうことができたなら嬉しいです。

神奈川県出身。大学時代に経験した海外ボランティアやアメリカのディズニーワールドでのインターンシップを通し、CAを目指すようになる。新卒で中東系航空会社に入社し拠点を日本から中東に移す。現在乗務3年目。お気に入りの路線は羽田線。Instagramアカウント:e.shio107

【CAのここだけの話♪】はAirSol(エアソル)に登録している外資系客室乗務員(CA)が持ち回りで担当します。現役CAだからこそ知る、本当は教えたくない「ここだけ」の話を毎回お届けしますので、お楽しみに。隔週月曜日掲載。アーカイブはこちら