新型コロナウイルスの感染が広がり、私たちの生活は大きく変わりました。行きたい時に行きたいところに行けない。食べたい時に食べたいものを食べに行けないし、買えない。こういった生活を続けていると、「自分にとって本当に必要なモノ」が見えてくると感じています。こういう時はまさに断捨離のチャンスではないでしょうか。
普段はなかなか向き合うことができなかったことや、気づくことができなかったことに気付ける機会だからこそ、いろんなものを断捨離し、自分に必要なモノ・大切なモノだけを身近に置くという時間にしたいなとも思いました。断捨離はモノだけに限りません。ヒトや美容もその対象といえます。外出自粛中、テレワーク中に私が自分に問いかけていることをご紹介します。
本当に会いたい人は誰か?
私は起業して以来、いや受付嬢時代に遡ってもこんなに外食をしないのは初めてです。週の3、4日は会食やイベントへの出席などで家族ではない方々と夕食を共にしていました。それが経営者である私の仕事でもあるため、「もっと社員のみんなとコミュニケーションを増やしたい」「家族との時間も確保したい」と思うことはあるものの、優先していたのは「仕事」でした。
世の中のビジネスマンの中には、同じようにしていた方も多いのではないでしょうか。平日は夕食も仕事関係の人と、週末だけ家族と共にする。しかし今は会食も自粛対象ですので、毎日家族でご飯を食べていますよね。何なら、朝食・昼食も一緒かもしれません。
家で時間を過ごしてみると、妻(夫)や母親(父親)がどれだけ家事を負担しているかもよく見えます。子供たちの、普段は見ない一面を見ることもできるでしょう。
ウイルスが収束し平常に戻ったら、今のように家族と過ごす時間を確保するには何かを削る必要があります。今は友人にも会えないですし、仕事を通じて親交がある人にも会えない。「じゃあ、緊急事態宣言が明けたら誰に会いたい?」と考えたりします。その時に頭に浮かんでくる友人や先輩などは自分にとって本当に大切で、これからも付き合っていきたい人なんだとわかります。自分にとって大切な人・自分の時間を使いたい人をクリアにするにはとてもいい機会だと思います。
モノに満たされた生活で充足感を得られているか?
最近ではオンラインでも手軽に買うことができるため、以前に比べて皆さんを取り巻く「モノ」が増えたのではないでしょうか。
しかし今はテレワーク(在宅勤務)のため、家の中に「仕事をする環境」を確保する必要が出てきました。家にいるとモノに溢れていることに気づきますよね。テレワークを機に断捨離し、気分をすっきりさせ、仕事をするためのデスクや椅子を置く場所にしようと考える人は非常に多いようです。
今までは外食や、外出する際に身に付けるものなどにお金をかけている人が多かったと思いますが、今は住まいを充実させようと、自宅への投資が非常に増えているように感じます。私もその一人です。捨てられるものは捨て、預けておきたい物は預ける。そして自宅をスッキリさせるように行動することで活動量も増え、心身共に爽快感を感じます。
弊社の従業員からも「断捨離した!」という話や「(テレカン時に明るく写るように)女優ライト買いました(笑)」なんていう声を聞きます。モノに満たされた生活はそれはそれで魅力的かもしれませんが、必要なモノだけに囲まれてシンプルな生活はもっと素敵なのでは? と考えるきっかけになっています。
ネイルやマツエクは本当に自分を輝かせるか?
私はネイルもマツエク(まつ毛エクステンション)もしていません。それは定期的に通う時間が確保できない(というより、その時間があったら仕事していたい)、そして面倒くさがりというのが主な理由です。外出自粛中の今は、それがとてもよかったなと思っています。ネイルもマツエクも月に1回は行かないと維持が難しいので、きっと施していたら、通えないことにとてもストレスを感じていたと思うからです。付けた爪やまつ毛を強制的に外さざるを得ないかもしれません。
その瞬間はとてもストレスかもしれませんが、これを機に本当にそれらが自分を彩るアイテムや手段として本当に必要なのかを見直す機会になると思います。ネイルやマツエクは習慣化します。例えば、やり始めた頃は20代前半だったとして、そこから10年続けたら、始めた時の自分と大きく変化していると思います。それは見た目も内面もです。しかし習慣化すると辞めることが難しかったり、客観的に必要かどうかを考えなくなることがあります。強制的に、サロンに通えない状況が生まれたからこそ、例えば家族から「マツエクしないほうが素敵だと思うよ!」なんて言われることがあるかもしれません。
逆に自分の自信につながっていて、「ないといつもの自分になれない!」と強く思うのであれば、必要なモノということです。自分と向き合う時間が取りやすいからこそ、“今の自分”を磨くことを意識してみると、いい断捨離につながるのではないでしょうか。
平常化した時に最大限の価値を提供するための日々
最後に、先日私が弊社の従業員に伝えたことをお話しします。
今はどんな企業にも多かれ少なかれマイナスの影響が出ています。これはもう今はどうしようもないです。今、最優先すべきことは「感染をこれ以上広げないこと」ですから。しかし、この状況が一生続くことはないと思います。何カ月・何年先かはわかりませんが、必ず日常を取り戻すと思います。その時に、弊社が提供しているサービスは必ず必要とされ、役に立つサービスだと信じています。新型コロナウイルスの広がりを受けて、この想いをより強く持つようになりました。強く持つことで、平常化した時に最大限の価値を提供できるサービスに成長させておかなければいけないと思います。そしてより早く手元に届くように準備をしておかなければいけない。そう考えると、今できることを頑張ろうと思い、仕事へのモチベーションや活力につながります。
これは弊社だけに通ずる話ではないと思います。どうかこの困難を一緒に乗り越え、みなさんが大切にしているモノ・ヒト・仕事が輝くこと日々が1日でも早く再来すること心待ちにしています。
【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。更新は隔週木曜日。アーカイブはこちら