ビジネストラブル撃退道

テレワークで体重増? 在宅勤務歴19年の私の“太らない食生活”

中川淳一郎

 19年太らなかった食生活・生活習慣

 在宅勤務と外出自粛要請により太ってしまった人も多いのではないか。私のような編集者であれば、普段から在宅勤務であり、若い頃のようにジョギングや登山もすることはなくなったため、生活はそれほど変わっていない。しかしながら身長168cm、体重54kg~55kgは27歳から20年維持できている。

 となると、太らないのは体質に加え、食生活にあると思うので、自宅で仕事をする時の太らない食事方法について考えてみたい。最近のSNSでの知人の近況報告や芸能人の日常報告を見ると、けっこう食事の量が多いように感じられる。

 お気に入りの飲食店のテイクアウトは、応援の気持ちもあるのだろう、相当な量になっているし、ポテトチップスを6袋買って「利きポテトチップス」をやったなどと報告する声もある。

 結局どうも手持無沙汰なのと周囲の目がなく、さらに冷蔵庫もあるため常に何かを食べられる状況にあるため太ってしまうのだろう。或いはスーパーやコンビニに行くとついつい焦って大量に加工食品を買ってしまい、大量の食料品があるから食べてしまうのかもしれない。そこで、あくまでも私のケースだが、在宅勤務を開始して19年、太らなかった食生活・生活習慣について考えてみたい。

 【1】決まった時刻に決まった回数食べる

 1日2食+おやつ、と決めているが、まずは毎朝7時頃に起き、7時半に朝食を食べるようにしている。あと、おやつの時間は14時20分としている。夕食は19時~19時30分に開始できるようにしている。この3回以外は一切固形物を口にしない。飲むものも水か麦茶で、カロリーがゼロでカフェインも入っていないものを選ぶ。夜、寝る前に何かを食べるのはもってのほか。とにかくこの3回以上食べてはいけないという厳格なルールを自分に課す。

 【2】自炊をして腹八分目を心掛ける

 加工食品やファストフードのテイクアウトだとどうしても野菜が足りなくなってしまう。また、添加物も多いし油脂分が多い。自炊であればいくらでも野菜を入れることができるし、たとえば豚バラを焼くにしても、脂身部分から徹底的に焼いて脂分を大激減することもできる。鶏肉の皮もねっちょりと料理するのではなく、パリパリにすればさらに美味しく、カロリーも低くなる。脂はキッチンペーパーに吸わせる。

 あと、基本的にファストフードの場合、若い男性でも満足できるようご飯の量が250g~300gほどはあるもの。もちろん「小盛り」などはできるが、それでも150~200gにはなる。自宅であれば適量がたとえば100~120gなどと分かっていれば、それだけ食べればいい。「少な目でお願いします」とオーダーして150gが来てしまってもさすがに残すのは申し訳ないだろう。というわけで、自炊することにより食材・量・味付けを自分好みにして腹八分目にする。

 【3】間食(おやつ)は少量、ないしは野菜にする

 さすがに朝7時30分に食べ、次の食事が12時間後というのはキツいため、14時20分に「おやつ」の時間を入れる。【1】で意識の高いことを書いていたのに突然ちゃぶ台返しをしてしまい恐縮だが、実はこの14時20分の段階で私はビールを500ml缶2本と350ml缶1本飲み、つまみを少々食べてしまうのだ。

 在宅勤務で1日3食キチンと食べるのはさすがに量が多いものの、2食だと少ない、ということでおやつを食べるのだが、甘いものってヤツがけっこう厄介なヤツなのだ。1つ何かを食べると次いで何かを食べたくなってしまうのである。カップに入ったアイスクリームを半分だけ食べようとしても結局、1カップすべて食べてしまうし、さらに何か甘いものが欲しくなってしまう。結果、アイスクリーム2カップやらアイス1カップ+ゼリー1カップ、などと食べてしまう。

 砂糖ってヤツはそれほどまでに魅惑的なため、私は太ることを恐れ甘いものは滅多に食べなくなった。食べるのは禁酒している時だけである。そのかわりとしてビールを飲んでしまうのだが、つまみはこんな感じだ。

・崎陽軒のシウマイ4個

・味の素の冷凍ギョーザ3個

・シメサバ4切れ

・ブロッコリーのアンチョビガーリック唐辛子炒め

・鰻の肝焼き1本と鰻の「ひれ焼き」半分

・前日の残りのカレーから引き揚げたジャガイモ

・大根おでん

 これを1時間20分ほどかけて食べ、飲むのである。いや、【3】については「ふざけんな!」と言われそうだが、孤独に仕事をしているとせめて酒ぐらいはそばにいてほしいの、ボク…なんて弱々しい気持ちになるし、「もうどうにでもなってやれ!」的な気持ちになってしまうのだ。ストレスを溜めこまないためにも、酒好きな人は適量を日中飲んでもいいかもしれない(と自分を正当化させてみる)。

 オプションとして、トレーニング器具を自宅に置いておくのもいい。私の家にはベンチプレスセットがあるが、さすがにここまで準備しないでいい。せいぜいダンベルがあればいい。とはいってもベンチプレスの良さというものは、身体の鍛錬だけでなく、過度な負荷がかかり、最後バーベルを持ち上げる時に「アァァァァァァギャッー!」のような断末魔的な声をあげることからストレスが一気になくなるのである。

 不思議なことに、ムカつくメールが来た時など、心を落ち着かせるためにベンチプレスをすると大抵の場合スッキリする。筋肉質の身体にすれば燃費が悪くなり太りにくくなるほか、ストレス軽減にも繋がるため自宅に何らかの筋トレ用具はあった方がいい。かくして在宅勤務で太らない体づくりができるのである。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう) ネットニュース編集者
PRプランナー
1973年東京都生まれ。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライター、「TVブロス」編集者などを経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『謝罪大国ニッポン』『バカざんまい』など多数。

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