【元受付嬢CEOの視線】社内で好かれる人の特徴 入社早々に信頼を勝ち得た男性社員
男女問わず「モテる」人がいる
今年も残すところ、あと2カ月ですね。今年1年がどんな年だったかを振り返る人も多いのではないでしょうか。まさに私もその一人です。今の会社の規模を去年の今頃とふと比べた時、格段に大きくなっていることを改めて感じました。
自分が対応しなくてはいけなかったことを任せられるメンバーが入社してくれて、より一層、自分にしかできない仕事に注力させてくれる社員のみんなに頼もしさを感じたりもしました。
そんな弊社に仲間入りしてくれた中のひとりに、入社して早々に信頼を勝ち得、頼られている男性社員がいます。今回はそんな彼から学んだ、ビジネスにおける「モテるコツ」をお話ししたいと思います。
私が考える、ビジネス上で「モテる」というのは、「相手と自分が取りたいコミュニケーションを取れる人」だと思います。少し抽象的かもしれませんが、男女関係における「モテ」とビジネスにおける「モテ」は違うと思うのです。
男女関係におけるモテは基本的に対象者が1人ですが、ビジネスにおいては、対象者は複数になります。1人の人から好かれるだけではビジネスはうまくいきません。だからといって、誰からも好かれるために「八方美人」になってしまってもうまくいきません。要は「自分がこの人とはこういう話がしたい」と思った時に、相手とイメージ通りのコミュニケーションが取れる人がビジネス上の「モテる人」だと思うのです。
それができているのが、さきほどお話しした「彼」です。その彼を観察し(笑)、いくつか感じた特徴をあげたいと思います。
ブレない 芯がある
入社したての頃はついついその環境に受け入れられたいと思うため、いつもより相手のペースや考えに寄せがちになる人が多いのではないでしょうか。しかし、それは結果的にマイナスに働くことが多いと思います。彼は、「自分がこの会社で何をするために入社したのか」をよく理解し、そのスタンスを入社初日から貫いています。
「芯がありブレない」はつまり「信頼できる人」だと思います。彼は早期に、社内のみんなにこうした印象を与えたようです。言いにくいことも入社早々から発言していましたし、後から入社した自分が上に立つ立場であることの覚悟を持って入社してきた印象を持ちました。それはきっとチームのメンバーにも同じように伝わったのだと思います。
常にニュートラルである
転職し環境が変われば、戸惑うシーンも増えがちです。ただでさえ緊張の日々が続く中、環境の変化もあり、メンタルを安定させておくことは至難の技だったりすると思います。しかし、最初の印象というのは非常に重要で、入社してすぐに感情のコントロールを失ってしまうとその後の印象にも引きずられてしまいます。だからこそ、入社してからの日々を感情に振り回されず、“ニュートラル”に振る舞える人は信頼を獲得できるのだと思います。
弊社はまだ30名ほどの組織です。1人の入社が与えるインパクトも小さくありません。彼は自分のチームだけでなく、他の部署の人とも積極的にコミュニケーションをとり、会社全体の今の状況を把握し、刺激を与える部分とそのままの雰囲気を生かす部分を踏まえて動いているように見えました。言葉で表現しなくてもそういう動きは会社全体に伝わるものなんだと思いました。
話を聞く・受け入れる・意見する
(1)相手の話を聞く(2)受け入れる(2)意見を言う…この3つができる人は意外に少ない印象があります。ついつい「自分はこんなに頑張っている」「それは自分の仕事じゃない・せいじゃない」と主張し、意見すべき相手に意見せず、外で不満を漏らす。こんな経験、誰しも若い頃に一度はしたことがあるのではないでしょうか。逆にマネジメントする側になってからも、こういった部下に手を焼いた経験もあるのではないでしょうか。頭ではわかっていても、なかなか実行できないのがこの3つなのです。
例の彼について、上司・部下とのやり取りを観察していて、この3つのスキルを持ち合わせていることに気付きました。
どれかひとつだけができている人はいても、このすべてをバランスよく持ち合わせている人は意外と少ないです。
特に「受け入れる」。これが一番難しいように思いますし、重要に思います。ビジネスにおいて、相手が思うように動いてくれない時や考えに同意してくれないシーンは少なくありません。そういう時に、相手が自分の意に反した言動をとる理由を受け入れる。状態を改善するには相手の意見を受け入れた上で話をする。お互いがそうすれば、「ちゃんと自分を理解しようとしてくれた上で意見しているんだ」という印象を与えることができ、平行線をたどることを回避できると思います。
ベースにあるのは「好意」と「自信」
相手とイメージ通りのコミュニケーションが取れる人を体現するわが社の「モテ男」の特徴を3つお伝えしました。そして、総じて共通するスタンスは、相手に対して「好意的である」ということです。好意的という感情がベースにないと、「偉そう」や「八方美人」という印象を与えてしまうと思います。そして、彼のこういった立ち振る舞いは、自信から来るものだと私は思います。自信がないとどうしてもブレてしまいがちですし、自分の意見を伝えることに躊躇してしまうと思います。
社内のメンバーから「彼のような大人になりたい!」という発言が聞こえた時に、私は改めて会社の成長を感じることができました。
【プロフィール】橋本真里子(はしもと・まりこ)
1981年生まれ。三重県鈴鹿市出身。武蔵野女子大学(現・武蔵野大学)英語英米文学科卒業。2005年より、トランスコスモスにて受付のキャリアをスタート。その後USEN、ミクシィやGMOインターネットなど、上場企業5社の受付に従事。受付嬢として11年、のべ120万人以上の接客を担当。長年の受付業務経験を生かしながら、受付の効率化を目指し、16年にディライテッドを設立。17年に、クラウド型受付システム「RECEPTIONIST」をリリース。
【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。更新は隔週木曜日。アーカイブはこちら
関連記事