【元受付嬢CEOの視線】ゴルフのおかげで起業 受付嬢時代に単純な理由で始めた趣味の意外な効能
この原稿を書いている9月12日、世間を賑わせたニュースがありました。ヤフーによるZOZOの買収です。それぞれ話題が多い印象の企業ですが、その企業同士が合体!? 前澤社長が下す決定にはいつも驚かされてきましたが、今回は世間にとっても大きな衝撃を与えたのではないでしょうか。
同時に話題になったのが、ソフトバンクグループの孫会長兼社長と前澤社長の融合。この二人の意思決定がこれから世の中にどんなインパクトを与えるか非常に興味深いと感じました。
そんな彼らの最初の出会い、それはゴルフだったそうです。ゴルフを一緒に回る中で、孫会長の人間性に触れ、たったの数時間で尊敬の念が生まれたそうです。
私もゴルフには特別な魅力を感じています。ビジネスにおけるメリットももちろんあるのですが、それと同時に奥深さもあります。今回は、私がゴルフをどう捉え、どう付き合っているかについてお話しさせて頂ければと思います。
ゴルフを始めた理由はとても単純
私がゴルフを始めたのはGMOインターネットグループに受付嬢として勤務している時でした。きっかけは、毎年グループを横断して行われる「NASA cup」というゴルフコンペに誘っていただいたことでした。役員から社員まで、誰でも参加することができます。
誘われた時に私が何を思い浮かべたかというと、
・豪華賞品がもらえる
・女性の参加者が少ないから優遇してもらえる
・有名なゴルフ場を格安で体験できる
・普段交流できない役員や他部署の人たちと交流できる etc…
あんまり褒められた動機ではなかったように記憶しています(笑)
こんなきっかけで始めて、本当にゴルフを楽しめるのかというと…驚くほどハマりました!
ゴルフをしていなかったら起業できてなかった!?
「『驚くほどハマった』なんて大袈裟でしょ」と思われるかもしれませんが、本当にそう思っています。
ゴルフをちゃんとやり出したことで、会食だけでなくゴルフのお誘いもいただくようになり、普段お話しできないような方々とご一緒させていただく機会が増えました。
気心知れたゴルフ仲間で集まるコンペもありますが、同業界や異業種交流が目的で企業が開催するようなコンペもあります。こうしたビジネスライクなコンペに参加することで、一度に十数名から数十名のビジネスマンに会う機会が持てるのです。私が創業期に参加したゴルフコンペにVC(ベンチャーキャピタル)の人が参加しており、それがご縁で投資していただいたこともありました。そういう意味ではゴルフをしていなかったら起業できていなかったともいえます。
そしてゴルフは「紳士のスポーツ」と言われています。ビジネスにおいても人生においても先輩である方々が、どのように振る舞われているかという懐の深さに触れることもでき、大変勉強になります。
これぞゴルフの醍醐味
これまでゴルフを始めたきっかけやメリットについてお話ししてきましたが、本当におすすめしたい一番のポイントは、一緒に回る人を「知る」ことができる点です。
「ゴルフは自分との戦い」とよく言われますが、自分自身も、一緒に回っている相手も「本当の姿」が出やすいです。ゴルフは短くても半日、コンペとなれば一日を一緒に過ごすことになります。飲み会の場の数時間は「構える」「取り繕う」ことはできるかも知れませんが、ゴルフではそうはいきません。
いいショットができる時もあれば、納得の行かないショットが出る時もあります。暑い日もあれば、極寒の日もあります。そんな様々な感情や環境の中で行うスポーツです。非常に「性格」が出ます。1ショット打つにもすごく時間をかける人、逆に、迷いがない人。自分のことだけでなく、相手のことまで配慮して回れているかなどを見ることもできます。冒頭でも触れましたが、前澤社長がゴルフを通じて孫会長の人間性を理解したというのもわかります。相手の真の姿に触れられるという点で、ゴルフは男女のパートナー選びにも有効かも知れませんね。
重要なビジネスパートナーとは仕事を始める前にゴルフに行って、いつもは見られない一面を見ておくというのは非常に大きな意味を持つと思います。
私自身、ゴルフにちゃんと向き合い、なるべく相手に迷惑をかけないように心がけています。そういうプレーをしていると、自分のことを信頼してくれ、それがビジネスにつながる、ということが少なくありません。
同性同士であれば、プレー後に一緒にお風呂に入り、リラックスした時間まで共有することができます。普段話せないようなことも、なんとなく話せるような気分になるかも知れません。
自分を戒めたり 時には褒めたり
先ほど「ゴルフは自分との戦い」とお伝えしました。これが私にとって自分と向き合うという意味で重要なポイントになっています。
ゴルフをする方は共感していただけるかも知れないですが、ゴルフって何か一つが欠けてもいいショットが出ないんですよね。欲を出すとミスショットにつながったりします。こうして一球一球に向き合い、その結果で自分を戒めるのです(笑)いいショットができれば、「肩の力を抜いたほうがやっぱりいい結果になるな」なんて思いながら、自分を褒めたりします(笑)
ゴルフには老若男女、誰でも楽しめるというメリットもあります。仕事だけでなく、夫婦や家族で楽しむことができます。近年は女性のゴルフウェアも非常に種類が豊富で、ファッションとしても楽しめる一面もあります。
ビジネスツールとしても非常に有効でありつつ、プライベートでも充実を図ることができるスポーツ。ぜひ皆さんにも興味を持っていただき、自分なりのゴルフの楽しみ方を見つけてもらえたら嬉しいです。
【プロフィール】橋本真里子(はしもと・まりこ)
1981年生まれ。三重県鈴鹿市出身。武蔵野女子大学(現・武蔵野大学)英語英米文学科卒業。2005年より、トランスコスモスにて受付のキャリアをスタート。その後USEN、ミクシィやGMOインターネットなど、上場企業5社の受付に従事。受付嬢として11年、のべ120万人以上の接客を担当。長年の受付業務経験を生かしながら、受付の効率化を目指し、16年にディライテッドを設立。17年に、クラウド型受付システム「RECEPTIONIST」をリリース。
【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。更新は隔週木曜日。アーカイブはこちら
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