中小春闘 300人未満で8361円のベア要求

 

 ものづくり産業労働組合JAMは1日、2月25日時点の加盟単組の要求状況をまとめた。現行賃金水準を明示し、かつ賃金改善(ベースアップ、ベア)を求めている182単組の個別賃金要求額の平均は30歳で23万8367円でベア要求額7729円に相当する。ベア要求額は組合員300人未満では8361円で、1000人以上の4192円の約2倍と、規模間の格差是正を前面に出した要求となった。

 加盟する1551単組の49・5%にあたる768単組で賃金要求を提出。このうち、現行賃金水準を明示していない単組も含めベアを要求したのは523単組で、ベア要求額は4717円と、前年同期に比べて161円少なかった。また定期昇給にあたる構造維持分とベアとを切り分けられない単組を含む平均賃上げ要求額は155円少ない8826円だった。

 都内で記者会見したJAMの安河内賢弘会長は「中小企業の賃金が上がらないと、個人消費の改善につながらない。人手不足などの厳しい経営環境の中で、とりわけ規模の小さな企業で働く若い世代に手厚く配分し、少しでも大手企業との格差是正を実現させたい」と語った。

 JAMは今春闘では、30歳時点で月額27万円、35歳では31万円の賃金水準を要求。6年連続となるベア要求は月額6000円の全体方針を打ち出している。