Fromモーニングピッチ

地方のDXは緒に就いたばかり 企業、行政とベンチャーの連携が加速の鍵 (2/2ページ)

不動産管理をシェアリング

 Rsmile(東京都中央区)は不動産管理のシェアリングプラットフォーム「COSOJI」を提供しています。不動産オーナーや管理会社などの依頼者は、共用部の清掃や目視点検、草むしりといった不動産に関する軽作業を、必要な作業量だけ地域住民へ発注する仕組みです。移動コストが削減され従来と比較して価格を抑制できるほか、働き手はライフスタイルに合わせて隙間時間に好きな時だけ働くことができます。

BIMでサプライチェーン全体をDX化

 Arent(東京都中央区)はコンサルティングからシステム開発、新規事業の創出に至るまでを一気通貫で行うDXのプロフェッショナル集団です。中心となる技術は、コンピューター上に現実と同じ建物の立体モデルを再現して、よりよい建物づくりに活用するBIMです。これによってサプライチェーン全体のDX化が可能になります。大手プラントメーカーとはゼロの段階から2年でジョイントベンチャーを設立しました。

議事録作成支援サービス

 エピックベース(東京都渋谷区)はAIによる音声認識を活用した議事録作成支援サービス「スマート書記」を提供しています。サービスを始めるに当たっては徳島県と実証実験を繰り返してきましたが、知事の定例記者会見での巻き起こしに要していた時間を80%削減することに成功しました。英語や中国語など90カ国語に対応しており、今後は専門用語の認識率向上に取り組んでいきます。

黙食支援システム

 フォルテ(青森市)はAIの顔認証システム「MIDERA(ミデラ)」を提供しています。避難所での受付や混雑状況、救援物資の把握やワクチン接種会場での待機時間の管理などを行います。近く提供を開始するのが黙食支援システム「サシネ」です。テーブルに設置することによって声のエネルギーを測定し、大きくなってくると赤のランプが点灯するため、感染リスクに注意しながら食事を摂ることが可能です。

行政・災害などに特化したAIチャットボット

 ビースポーク(東京都渋谷区)は、会話形式で多言語の応答が可能な行政・災害・観光に特化したAIチャットボット「Bepot(ビーポット)」を提供しています。住民サービスに関する窓口の一本化やリアルタイムな情報発信、アンケートなどを行います。また、9月からはオンライン市役所が始まる予定です。相談業務をすべて自動化し、役所側では確認業務だけを行うことになります。

 新潟県の調査報告書結果から分かるように、地方のDX化は緒に就いたばかりです。DX化を加速するためには、企業、行政とベンチャーとの連携事例をいかに増やしていけるかがカギとなるでしょう。

Morning Pitchは、毎週木曜午前7時から開催している、ベンチャー企業と大企業の事業提携を生み出すことを目的としたピッチイベント。 毎週5社のベンチャー企業が、大企業・ベンチャーキャピタル・メディア等のオーディエンス約200~300名に対しピッチを行う。 2013年1月から開始し、2020年12月時点で全350回超、累計1700社超のベンチャー企業が登壇している。 デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社、野村證券株式会社の2社が幹事となり開催。

【Fromモーニングピッチ】では、ベンチャー企業の支援を中心に事業を展開するデロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)が開催するベンチャー企業のピッチイベント「Morning Pitch(モーニングピッチ)」が取り上げる注目のテーマから、日本のイノベーションに資する情報をお届けします。アーカイブはこちら

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