位置情報を分析し人流を調整
レイ・フロンティア(東京都台東区)は位置情報を分析するプラットフォームを提供しています。具体的には人や乗り物の行動データを取り扱うサービスの開発や、データ分析の支援を行っています。最短5秒間隔で高頻度な収集を行える点が技術面での優位性です。サービスの導入事例としては栃木県宇都宮市の公式ヘルスアプリがあります。日々の徒歩や自転車などの活動情報を自動判別し、その活動量に応じてポイントを付与する仕組みです。ポイントは公共施設の入場料の割引などに利用できます。収集データは人流の調整や三密情報の可視化などに利用されています。
精度の高い心拍データを取得
クアドリティクス(京都市中京区)はデスクワーク中や運転中、睡眠中など、日常生活を含むさまざまな場面の心拍変動データを取得、解析することによって、てんかん発作をはじめとして居眠りや睡眠時無呼吸症候群、心不全といったさまざまな身体的異変を予知できる技術を保有しています。デバイスは、スマートウオッチなど従来のウエアラブルに比べ精度の高いデータを取得します。これによって、身体的な変異の予測さえできれば社会的に支障なく暮らすことができる人のQOL(生活の質)向上に寄与します。
侵入検知など20種類の機能を搭載したAIカメラ
Avintonジャパン(横浜市西区)は、DX時代のIoTデバイス「エッジAIカメラ」を提供しています。カメラには物体検出・追跡や異常・侵入検知、視線や性別の推定など20種類の機能が搭載されており、その中身のアルゴリズムシステムを自社開発しています。手の平サイズのパソコンにAIモデルを搭載し、ネットワーク通信を介さずにAIを活用するため、通信費の削減とリアルタイムでの解析を実現する点が特徴です。大手印刷会社では安全管理の目的でエッジAIカメラを導入しており、危険エリア内に人を検知すると装置を自動的に停止するという機能を備えています。
在宅勤務や非接触の流れが進む中、業務の見直しは今後、加速する見通しです。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大はAIの普及を加速させる可能性があり、AIベンチャーの活躍の場も広がることでしょう。
【Fromモーニングピッチ】では、ベンチャー企業の支援を中心に事業を展開するデロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)が開催するベンチャー企業のピッチイベント「Morning Pitch(モーニングピッチ)」が取り上げる注目のテーマから、日本のイノベーションに資する情報をお届けします。アーカイブはこちら