保育領域の協業事例も出ています。東京23区内の保育園を便利に探すことができる「ママスタ保活」は、LIFULLが運営する不動産・情報サイトと情報連携し、物件情報を掲載しています。また、コドモンがベネッセグループやグローバルキッズ、ベビージョブなどと連携しながら、オンライン保育などの実証実験に取り組んでいます。この過程で有用性が明らかになったプロジェクトについては、事業化の検討を進めていきます。
このように今回は親・子供、保育園という領域から5社のベンチャーを紹介します。
子育て環境をタワマンと整備
ここるく(東京都渋谷区)は、子育てによって外食やリフレッシュが困難な親のために、人気レストランなどと提携して託児プランを提供してきました。COVID-19を契機に在宅勤務が増えるなど、事業環境が変わってきたので、新たな保育を目指しています。その一環として、取り組むのがタワーマンションと協業して展開する再開発エリアの環境づくり。購入の前段階から子育てしやすい環境を思い描いてもらいます。
育休中の女性のデジタルスキル磨く
第一子出産後の女性の離職率は5割に上ります。また、復職を果たしても子育てと仕事の両立は難しいのが現状です。一方、企業ではデジタルスキルを備えた人材が不足しています。このため産休・育休中の女性の心身を支援するとともに、デジタルスキルのオンライン研修を提供するのがShare Table(東京都大田区)です。円滑なコミュニケーションを後押しするので、一方向だけではない講座を実現しています。
主体性を科学的に育む
Edulead(東京都港区)は、日本の高校を中退しニュージーランドで主体性を育む教育に触れた代表によって、19歳の時に設立されました。現在は全国9カ所で地域の特性に応じた保育園を運営しています。ソフトとデータサイエンスによってデータ起点の保育に取り組んでおり、今後はデータとAIモデルによって主体性を科学的に育むサービスを予定しています。世界でひとつだけの保育園づくりを目指します。
デジタル社会での活躍を後押し
サンクスラボ(沖縄県那覇市)は障がい者がデジタル社会で活躍できるように、デジタル系業務を担える人材育成を、就労支援のひとつとして行っています。育成と同時にネットサービス事業なども展開しており、約700人の障がい者を支援しています。また、児童にもデジタルスキルを提供する学びの場として、学童スクールの運営も開始。デジタル社会での就労につながると、地域から評価を得ています。
園児情報を一元化
コドモン(東京都港区)は保育園や幼稚園で働く先生向けのSaaS型業務支援システムを展開しています。一元化された園児情報を踏まえ成長記録や指導案などを記録する機能をはじめ、登降園の管理やアプリを活用した保護者との連絡など、複数の機能が連動して動作します。これによって紙の配布が無くなり業務負担を大きく減らし、働き方改革をサポートします。すでに全国で10万人の職員が利用しています。
政府は子育て支援を重点課題に掲げており、保育関連ベンチャーの活躍の場は広がるはずです。
【Fromモーニングピッチ】では、ベンチャー企業の支援を中心に事業を展開するデロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)が開催するベンチャー企業のピッチイベント「Morning Pitch(モーニングピッチ)」が取り上げる注目のテーマから、日本のイノベーションに資する情報をお届けします。アーカイブはこちら