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新ブランディングで挑む Zoffは眼鏡業界のユニクロになるか

秋月涼佑
秋月涼佑

 眼鏡店というのは昔から商店街に一軒はあって、今や大きなショッピングモールともなればいくつかの大手チェーンの店舗が何店も入っていても驚かないほど身近な業態です。とは言いながら、筆者のように日常的にはメガネをしない人にとってはかなり敷居の高い存在で、一般店な色々なモノを小売するお店とは何か異質なものを感じてきました。

 メガネを普段からする人に聞いても、眼鏡店に行くときは少し多めに時間をとってゆっくり店員さんに相談したいとの声を聞きます。やはり、検眼やフレーム調整など専門家のサポートが必要な準医療的な部分が眼鏡店を特別な存在にしているように思います。

 そんな商品特性としての特別さというのは、そもそも付加価値が高いとも言えますからひたすらな価格競争と一線を画しやすくメーカーや小売店とすれば有利な要素になり得ると思いますが、一方でおいそれと誰でもが扱えない参入障壁が、ある種の古色蒼然とした雰囲気を眼鏡業界にまとわせていたように思います。

 宝飾店にも医院にも近いような重厚なショーウインドーの向こうに、ビシッとしたネクタイ姿の紳士然とした販売員の方が控える佇まいは、商店街の中でもちょっと大人なお店がかつての眼鏡店だったのです。

 Zoffはそんな中、ファッション業界から転身した創業者が若者の街東京下北沢のお店がスタートということもあるのでしょうが、JINSなど競合眼鏡チェーン同様ここ十数年でカジュアルさを感じさせるブランドとして主に若い層からの支持を集めてきました。

ファッションにあってメガネにない3つのモノとは

 そんな新しい眼鏡店のお店作りに、ファッション業界がバックグランドの創業者は良い意味で眼鏡業界外の視点を取り入れて、メガネには「サイズがない」「カラーがない」「シーズンがない」とファッションアイテムと比べた際の単調な商品ラインナップを指摘してきたそうです。

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